駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2試合・フェザー級4回戦/●西村良太[アポロ](判定0−3)吉田文郎[ハラダ]○

両者戦績は西村が未勝利2敗、吉田は1勝(1KO)3敗のサウスポー。今年5/22の再戦で、その際は吉田がTKO勝ちを収めている。お世辞にも好内容と言えなかった前回から、どれくらいの進歩が窺えるかという点でも見もの。
1R。右フックで西村が先制して幕開けとなるが、圧力かけようとする吉田に西村も頭を低くして突っ込み気味で、早くも膠着した展開。吉田が強引に密着して手数を放つが粗い。西村のパンチはまだボクシングらしいが……
2R。吉田は密着してショートの乱れ打ち。命中率は低いが手数にモノを言わせてヒットを奪う。西村は膠着した展開の中で手数が少ない。距離を開ければ西村も反撃し、ワン・ツーを返すが……
3R。吉田が組み付きに行く形で3分間ほぼクリンチ状態。吉田が圧力をかけつつ手数を出してアッパーやストレートでヒットを重ねる。西村はクリンチを振り解いた僅かな間だけ攻撃権が回ってくるという感じ。
4R。このラウンドも吉田の強引な試合運び。クリンチに西村を巻き込みつつワン・ツーやアッパーでヒットを重ねる。西村もボディ中心に手数出すも数的劣勢は否めなかった。
公式判定は西山40-36、宮崎39-37、坂本39-38の3−0吉田が同一カード連勝。駒木の採点は「A」39-37「B」40-37で吉田優勢。
目も当てられぬ内容の前回に比べると、やや前進といったところか。それでも終始クリンチ・膠着気味の内容で、身内でも無ければ褒められんだろうという印象ではある。
吉田は自分の欠点をフォローする密着作戦で相手を塩漬けにし、手数と密着距離でのヒットを重ねて同一カード連勝を果たした。西村は距離を詰められても頭低くして受け止めるばかりで、手数不足で消極的な内容に終始した。勝てない相手ではないのだが、試合運びが拙すぎた。