駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第10試合・バンタム級6回戦/●樺山祐平[塚原京都](判定0−2)山本良貴[風間]○

両者戦績は樺山4勝(1KO)4敗1分、山本3勝(0KO)1敗2分。両者ともにこれが初の6回戦。樺山は昨年9月以来1年2ヶ月ぶりのリング。山本は7/29に3勝目を挙げ、引分2つと合算してB級昇格を果たした。
1R。右ストレート中心の連打を打ち込んで来る樺山に対し、体格で勝る山本はステップを踏みつつアッパー、ストレートで迎撃して優位。樺山もヒットを稼ぐが被弾のシーンが目立つ。
2R。山本はこのラウンドも大きなアッパーを上下に散らし、返す刀で右ストレートを有効打。左のアッパーはトリプルまで撃つなど技術伸張の程が窺える。樺山もアグレッシブにワン・ツー連打でヒット有効打を返し、互角近辺まで形勢を戻したが?
3R。やや動きの落ちた山本に対し、樺山はここでもアグレッシブなアタックを敢行。ジャブ、ワン・ツー中心に頭を跳ね上げる。山本もラウンド終盤に右アッパー、ストレートで猛反撃。
4R。山本はロングレンジからのストレートとクリンチで主導権争いを優位に進めようとするが、ラウンド中盤からは樺山に懐へ飛び込まれて防戦一方に。懸念されたスタミナ難も徐々に顔を覗かせる。
5R。樺山のアグレッシブな攻勢、ワン・ツー。スリーなど前進力活かしたパンチで見せ場を作る。山本はアッパーで懸命に迎撃するが、動きが鈍い。終了ゴング前に追い打ちもかけた。
6R。樺山の攻勢に対し、山本は右アッパー2発を有効打して先制。しかし強引なレスリング行為など減点スレスレのラフファイトが目立ち始める。樺山はラウンド後半には左フックを捻じ込んで肉薄するが追い詰め切れず。
公式判定は洲鎌59-56、坂本58-57、大黒57-57の2−0で山本。駒木の採点は「A」57-57「B」58-58でいずれもイーブン。
山本が体格差利して右アッパー、ストレートで見栄え良い有効打を決めてジャッジを味方につけた。恵まれた体格を活かす戦い方が自己流ながらも身についてきて地力向上顕著。しかし安易なクリンチ、スタミナ切れから戦い振りが雑になった挙句にレスリング行為に走るなど、課題も残されている。
樺山は構成とストレート系の有効打で肉薄したが主導権を支配し切れず、際どいラウンドを落としてしまった。