駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第8試合・ライト級6回戦/●中島涼[ハラダ](判定0−2)百田諭志[大阪帝拳]○

両者戦績は中島6勝(4KO)3敗、百田4勝(3KO)3敗。今年7/26に行われた試合のダイレクト・リマッチ。前回は中島が接戦を2−0の判定で制している。中島は既にA級の資格があるが、因縁の相手を片付けるのを優先した形。百田も今後の活動に目処をつけるためにも前回以上の結果が欲しいところ。
1R。百田が圧力をかけようするが、中島が左ジャブで牽制しつつ試合の主導権を奪おうとする。中島が左カウンター決めるが、百田も前、前へ出て剛腕を振るいフックでヒット1発。
2R。中島はこのラウンドもジャブ中心の試合運び。一度百田に中へ潜られ左→右フックを浴びたが、残りの時間は主導権をキープし続けた。しかし強打少なくヤマ場作れなかったのは?
3R。このラウンドも中島のジャブを中心に試合が動く。しかし強打に欠けて主導権確保以上の戦果がなかなか得られない。百田は度々攻勢に出てアグレッシブさをアピールするが、こちらもヒット少なく正当な攻勢と認められるかは際どいところ。
4R。百田の攻勢に対し、中島は安易に後退してしまうが、致命的な被弾は避けつつラウンド後半には踏み止まってからの迎撃で反転攻勢に出る。互いに決定的なクリーンヒットに欠けて優劣判断の難しいラウンド。
5R。百田の攻勢が支配的なラウンド。中島はジャブで抵抗するが、百田にロープ際に詰められて強打を浴びる。ラウンド終盤に漸く中島が反撃らしい反撃に移るが、時既に遅しか。
6R。百田の攻勢に対し、中島は左ボディ、フックで対抗。右ストレートも出して漸く強打が目立ち始めた。百田の強打は中島の手数に相殺されて不発気味。ラウンド終盤の打撃戦でも中島優勢。
公式判定は原田58-57、半田58-57、北村58-58の2−0で百田。駒木の採点は「A」58-56「B」59-57で中島優勢。「クリーンヒット劣勢、手数優勢、圧力劣勢、主導権優勢」と「クリーンヒット優勢、手数劣勢、圧力優勢、主導権劣勢」の難しい比較を強いられるジャッジ泣かせの試合。中島は左ジャブ主体で手数と軽打のヒットを重ねたが、ジャッジは百田の単発強打と攻勢点の方が採点基準を満たしていると判断。際どいラウンドが軒並み百田に流れていった。
百田が愚直な圧力攻勢でアグレッシブさをアピールしてポイントを取り切った形。1Rに1〜2回ずつ強打を決めたのも良かった。今日は相手の敵失とも言って良い淡白な攻めに救われた部分もあるが、この勝利の価値は大きい。
中島はジャブ中心の捌きで主導権確保に成功したが、強打で明確なヒットを奪えず、辛い点数をつけられてしまった。左フック一辺倒から戦い方の幅を出そうという気持ちと努力の跡は如実に窺えるが、まだ上手く噛み合ってない感じ。