駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1試合・Sライト級4回戦/○松本泰知[仲里ATSUMI](判定3−0)林佑樹[タイガ]●

両者戦績は松本1勝(0KO)2敗1分、林も1勝(0KO)2敗1分。サウスポーの松本は昨年12月に初勝利を挙げた。新人王戦にエントリーもしており、ここで勝って勢いをつけたい。同じくサウスポーの林は昨年3月に新人王戦1回戦で敗れて以来、ほぼ1年ぶりの試合。
1R。両者サウスポーで戸惑ったか、共にぎこちない動き。松本がやや退き気味ながら手数を出して小差リード。林は手数が少なく、パンチを出しても乱雑で空振りばかり。
2R。精度の低い強振、ワン・ツー中心の打ち合い。ここも松本が先手で攻撃して攻勢点と主導権を確保。林は前に出ようという気持ちが空回りしている。意を決して打ち合いに出ても返り討ちに遭って効かされる。
3R。林がアグレッシブに前へ出て、不器用ながら左ストレートをヒットさせる。松本も手数ではリードしているが、必死に向かってくる林に圧され気味。終了ゴング前にも林は左でヒットを奪い、このラウンドは優勢確保。
4R。このラウンドも林は頭から突進しつつ強打を当てに行き、ラウンド前半は乱暴な攻勢ながら主導権を掌握。しかし後半入って松本も反撃。林のスリップダウンにほぼ空振りのフックが重なった所で川上主審はダウンを宣告。だがこれは際どい場面で、副審の意見具申を受けるべき場面だったが……。再開後も林の奮闘続くが、2点のポイント差は余りにも大きかった。
公式判定は野田39-36、西山39-36、北村38-37の3−0で松本。駒木の採点は「A」「B」いずれも39-36で松本優勢。
松本が試合前半に手数攻めでポイントを稼ぎ、ラッキーなダウンもあって判定勝ちだが、後半戦では完全に守勢に立たされる苦戦だった。前回の試合から目立って変化した点は見えず、今回はサウスポー同士の試合とあって、やや戸惑う場面も見られた。新人王戦に向けて好材料が得られなかったのは残念。
林は左利きの相手に惑わされたか苦しい立ち上がり。3Rから強引に出てポイントを稼いだが、4Rのダウンで万事休す。これを除けばこのラウンドも互角からやや優勢で、1−0ドローまではあった試合。力負けではないだけに悔しい敗戦だろう。