駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2試合・Sバンタム級4回戦/○高橋裕幸[陽光アダチ](判定3−0)辻彬宏[江坂]●

両者戦績は高橋3勝(2KO)5敗1分、辻3勝(1KO)3敗。高橋は昨年の新人王戦でベスト4まで進出したが、12月の再起戦でも敗れて勝率を崩している。辻は新人王戦敗退後、10月の再起戦で勝利してこちらは勝率を五分としている。
1R。高橋が体ごと突っ込みながらの連打攻勢で手数・ヒット量産。辻は守勢に立たされつつもアッパーで迎撃して抵抗するが見劣り。ラウンド後半に入っても高橋がマイペースで攻めて優勢確保。
2R。辻も前へ出ようと言う意志を見せるが、高橋の左フックで食い止められてしまう。高橋は主導権を確保して左フック中心の攻勢でアピールするが、やはり少々粗い。辻はクリンチに逃げた所でボディを喰ってロープに詰められ厳しい流れに。
3R。このラウンドも高橋の左フック、右ストレートが次々とヒットする一方的な展開。フェイントを交えた独特のリズムで攻め立て主導権をアピール。辻の抵抗は限定的。
4R。2人の前へ行きたい気持ちが偶然のバッティングに繋がってしまい膠着気味の展開も、先手で攻めるのはやはり高橋。ラウンド後半にはロープへ詰めて左フック、右ストレートを有効打してハイライトシーンを作った。
公式判定は原田、坂本、川上の三者いずれも40-36で高橋を支持。駒木の採点も「A」「B」共に40-36高橋優勢。
高橋が久々に明確な優位を築いてフルマークの判定勝ち。漸く持ち味の活きる展開になって、B級昇格を果たした。しかし、見た目ぎこちなく映る独特の動きや、ナックルを正確に捉えたクリーンヒットの少ない連打はジャッジに嫌われる理由になっていそうで、依然として接戦での勝負弱さ(に繋がる要素)は解消されていないとも言える。今の持ち味を無くさないようにして少しでも動きを洗練させる事が6回戦で成功するためのポイントとなるだろう。
辻は自分のリズムを掴めず、何もさせてもらえないまま完敗。ここまでしてやられては、今日は地力負けと言わざるを得ないだろう。