駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第5試合・ウェルター級6回戦/△水本昌寛[井岡](判定1−1)巴山宏知[正拳]△

両者戦績は水本7勝(2KO)1敗、巴山4勝(1KO)1敗1分。07年度ウェルター級西軍代表の水本は、これが全日本決勝敗退後の再起戦。巴山は昨年12月に06年度の西軍代表・若林豪[Gツダ]と引き分けて以来の試合。
1R。ミドル〜ショートレンジの打撃戦。一進一退の打ち合いだが、攻撃精度と守備力で勝る巴山が右ストレート、左ボディをクリーンヒットさせ、更に右を追加して効かせる。水本は決定打が欲しいが……
2R。このラウンドも打撃戦。ややクリンチが増えるが、ミドル〜ロングレンジでは水本のジャブが優勢。巴山も距離を詰めてアッパーを狙うが、水本の右ショートが先に当たってしまう。
3R。打撃戦が続く。水本のジャブ、ワン・ツー、左アッパーに対し、巴山もジャブ、ストレートで互角に対抗。先手で手数を放つ水本が印象的だが、ジャッジ的には微妙か。
4R。カウンター狙い中心の打撃戦。共にアッパーでKO狙いに出るが、共に果たせず一進一退。巴山は空振りが多いが、ボディ中心にヒットを集めてアッパーもヒット。水本の粘り強い抵抗も光ったが、ラウンド終盤に巴山が右ストレートをクリーンヒットさせ、左フック連発で効かせた。
5R。左のジャブ、フックの打ち合いでスタート。水本が先制して主導権を掴むと、強打に繋げてクリーンヒット、有効打。巴山も大振りで応戦するが、ダメージが隠せない。
6R。巴山がジャブで先制も、パンチの照準が合い始めた水本がヒットを返してたちまち形勢逆転。巴山も渋太く奮戦し、ラウンド終盤には消耗戦となるが、巴山は今一歩詰めの甘い印象が残った。
公式判定は坂本59-56(水本支持)、原田58-57(巴山支持)、宮崎57-57の三者三様ドロー。駒木の採点は「A」58-56水本優勢「B」58-58イーブン。
ウェルター級らしい重厚感たっぷりの打撃戦は、共に決定打を欠いて三者三様ドロー。両者とも、今後8回戦で戦う選手なのだから、上位で勝ち抜く試合運び――ノックダウンやクリーンヒットが奪えないなりに手数攻勢やインサイドワークによる主導権支配でポイントを獲り切る術を身に付けたい。