駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第6試合・フライ級6回戦/●利幸トーレス[大鵬](判定0−3)山田卓哉[真正]○

両者戦績はトーレス7勝(1KO)5敗、山田5勝(1KO)2敗3分。トーレスは昨年11月に金光佑治[六島]に敗れたが短期で再起。山田は昨年12月に14ヶ月ぶりの復帰&ジム移籍緒戦を飾っている。
1R。トーレスはいつになくジャブを多用するが、山田はダッキングとブロックでこれを捌きつつ前に出ると、ジャブやフック上下で応戦。決定打少ない中で山田は左フックで薙ぎ倒し気味のノックダウン。
2R。乱打戦。共にフック、アッパー中心に手数豊富だが、明確なヒットは山田が多い。ややクリンチ多く膠着気味の展開に引きずられたのはトーレス
3R。膠着気味の打撃戦。山田が圧力かけてアグレッシブさをアピールするが、トーレスは粗いもののフック、アッパーで迎撃してヒット数では互角以上。採点する上では微妙なラウンドか。
4R。前に出る山田、これをホールドで受け止めて膠着に持ち込もうとするトーレス。共に自己主張激しく揉み合いの展開に。ラウンド後半からはロングレンジに離れて粗いフックの打ち合い。共に消耗色濃く、決め手に欠ける攻防となったが、山田のアグレッシブさが冴える。
5R。山田が前に出ながら大振りを当ててゆくが、大味な攻撃にKOの予感は無い。それでも右ストレート、左フックを立て続けに浴びせて大差優勢。
6R。山田の攻防一体のアグレッシブさが活きて、ヒット数優位でここも大差の展開。トーレスの反撃は捌かれて、逆に山田がフック中心にヒットを奪って行く。終了ゴング前にも追撃決めて勝負アリ。
公式判定は北村59-55、宮崎58-55、原田58-56の3−0で山田。駒木の採点は「A」60-53「B」60-54で山田優勢。
山田がアグレッシブさとパンチの精度で終始上回る内容をメイクして完勝。やや強引で粗い所も目立ち、ポイントをいくらか損した所が反省材料。今日の戦い振りで通用するのは6回戦までだろう。才能を磨き上げて上位を目指してもらいたい。
トーレスは打撃戦で受身に立たされ、ヒット数でも劣勢。粘り強く手数は出して健闘したが、勝ちには結びつかない善戦で終わってしまった。