駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第9試合・Sライト級10回戦/○闘将青木誠[Gツダ](1R2分22秒TKO)安川健一[守口東郷]●

闘将青木誠は7勝(4KO)7敗2分の戦績。02年にデビュー、4回戦時代は新人王戦で2年連続初戦敗退、B級昇格に8戦を要するなど長い足踏みを強いられるが、当時敗れた相手は全員後のA級選手ばかりで巡り合わせの悪さに同情の余地も。6回戦は3戦でクリアして順風を捉えたかに思えたが、A級昇格後は昇級緒戦をタイ人相手に飾った後は日本ランカー経験者とのハード・マッチメイクで3連敗中。昨年12月、東京遠征で6回戦ながらTKO勝利し、1年3ヵ月ぶりに白星を得た。
安川は6勝(3KO)9敗。00年デビュー、01年に新人王戦にエントリーするも緒戦敗退。02年までかかって7戦目で4勝しB級昇格。しかしその後も苦戦続きでA級昇格には丸3年・6戦を要した。A級では06年に大沢宏晋[大星]、07年に川波武士[大鵬]と、ランカー級選手に連続KO負け。近況が良くない上に試合枯れの傾向もあり、ボクシング人生の正念場に立たされている。
1R。安川が先手で強打攻勢だが、相変わらず体重移動がぎこちなく、バタバタしている印象が否めない。青木は様子見しようとしたが果たせず、ロープを背負って防戦に専念させられる後手後手の苦しい展開となったが、ラウンド終盤に強打2発を安川の顔面に捻じ込むと、安川は突然ガクンと腰が落ちてフラフラに。半ば意識が飛んだのを観て、原田主審が慌ててストップをかけた。
青木はアグレッシブさを控えめにしてしまい、後手を踏む意外な立ち上がりとなったが、相手の打たれ脆さにも恵まれて“逆転”の1RKO勝ち。今日は内容よりもメインイベントで8回戦の試合に勝ったという事実が一番の収穫か。
安川は動き全般を見る限り、既に肉体的な限界がハッキリと見て取れた。まともにパンチを受けると途端に失神状態になってしまうのでは、ジム側もJBCも怖くて試合を組めないだろう。守口東郷ジムのウェブサイト上でも引退勧告をほのめかす内容が掲載されていたが、客観的に見てそれが常識的な判断であると思われる。