駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第2試合・Sフェザー級4回戦/●黒本昭[尼崎](判定0−3)田中翔途[大阪帝拳]○

両者戦績は黒本3勝(2KO)2敗、田中4勝(0KO)4敗1分。黒本は昨年11月に、今年の新人王戦優勝候補・湯川翔太[江坂]に敗れて以来の試合。田中は04年12月以来、3年6ヶ月ぶりの再起戦。前回の相手が丹羽賢史[Gツダ]という辺りに時の流れを感じさせる。
1R。田中はロングレンジからのヒット&アウェイ。単発ながら左右のパンチを当て、守ってはダッキングとステップワークで黒本の反撃を捌く。更にはショルダーアタックやプッシングなど反則スレスレのインサイドワークも見せて、4回戦離れした老獪な動きを見せる。黒本は主導権を奪われ、何も出来ないまま。
2R。田中はこのラウンドもいぶし銀ファイト全開。黒本の攻めるタイミングを巧みに外してはワン・ツー、右アッパー、ワン・ツー・スリーなど連打を交えた自在の攻めでヒットを量産。威力面は物足りないが、ポイントアウトには十分以上。
3R。黒本が右を先制し、アグレッシブに前へ出て挽回狙うも、田中は6〜8回戦級のフェイントやタメ撃ちでカウンターを次々とクリーンヒット。威力不足で決定的な場面を作れないではいるが、形勢は明らか。
4R。黒本のアグレッシブな更正を田中が熟練のボディワークで捌きつつ、死角からアッパー、ストレートを次々と突き刺して圧倒。追い詰められた黒本は、試合終了間際に漸く猛攻、ヒットをまとめて浴びせて挽回するが、どこまで?
公式判定は坂本40-36、野田40-37、宮崎39-37の3−0で田中。駒木の採点は「A」「B」いずれも40-36で田中優勢。
田中は長期ブランク明けの試合を、4回戦離れした試合運びで完勝。パンチ力不足は上のクラスでは弱点になってしまいそうだが、A級選手と遜色の無い技巧やインサイドワークが魅力的。次戦以降も要注目。
黒本は技術差に翻弄されて完敗。最後の最後で意地を見せたのが僅かな光明か。それにしても最近の彼は対戦相手に恵まれない。