駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第1試合・Lフライ級4回戦/●川野健紫郎[アポロ](判定0−3)長田瞬志[陽光アダチ]○

両者戦績は川野が未勝利4敗、長田が1勝(1KO)5敗2分。川野は昨年9月にKO負けを喫して以来の再起戦、長田も連敗が続いており、12/16以来の試合。
1R。スピード、攻撃精度共に互角で、レベルはともかくとしてボクシングの形にはなっている。共に命中率低く手数がヒットに繋がらないが、長田はアグレッシブさを前に出して全身を使った守備で動きの確かさをアピール。だが川野もラウンド終盤に右をヒットさせて際どく迫る。
2R。出入り激しい乱打戦。共に明確なヒットは無く、激しい割には淡々とした展開になってしまう。長田はキビキビしたディフェンスワークを披露するが、逆に守りに溺れ気味か。相手の受身に乗じて川野が積極的に出て行って攻勢点を確保する。
3R。このラウンドも同様の展開に。しかし長田が再び攻勢を強めて僅かに有利に。ラウンド後半には長田がコーナーに詰めた所で左がプッシュ気味に川野を突き倒すと、西山主審はダウンの裁定。だが副審が一瞬異議を唱えようとした程の際どい場面だった。カウント8を数えた上で、副審に意見を伺っても良かったかも知れない。川野は止む無くといった感じで乱打戦を仕掛けるが、これは元々打ち合いに慣れている長田の土俵。
4R。川野は勝負をかけてアグレッシブなラッシュで一時は優勢に。だがラウンド中盤にはスタミナが切れて勢いがストップ。長田にヒットをまとめられて形勢は逆転してしまう。終盤に入ると長田も失速して泥仕合気味。ゴング前の最後の打ち合いでは、長田が必死に全身を駆使した攻守で優位に立ってポイント確保。
公式判定は宮崎、大黒、北村の三者いずれも39-36で長田。駒木の採点は「A」38-37「B」39-37で長田優勢。
互角の地力を持つ両者の対戦は、文字通りの接戦。スピード面で見劣りしない相手関係に恵まれた長田が、日々の鍛錬で身につけた技術を発揮して小差有利のラウンドを集め、更には幸運なノックダウンもあって久々の2勝目。今日の動きが2勝選手相手に出来るようなら本格化だが。
川野は前半戦では互角以上の形勢。しかし3RのダウンでKO狙いの冒険策を強いられ、これが勝負の綾に。しかし、精度不足で思うにヒットが奪えない現状、この戦績も審判の先入観に影響するし、今後もなかなか判定では勝たせてもらえないだろう。