駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第2試合・ウェルター級契約ウェイト(64.0kg)4回戦/△宇川広之[アポロ](4R0分27秒負傷判定1−0)東本勲[森岡]△

両者戦績は宇川2勝(1KO)4敗、東本は勝ち負け無しの1分。宇川は昨年12月にデビュー戦以来の勝利を挙げている。サウスポーの東本は昨年末にデビューしたが1Rで負傷ドローとなり、これが仕切り直し。
1R。東本はデビュー戦から一転、落ち着いた試合運び。ロングレンジから手足のスピードの優位を活用し、ヒット数と主導権争いでリード。ラウンド終盤には連打から宇川を強引にロープへ強く弾き飛ばしてロープダウンを奪う。
2R。東本はこのラウンドもロングレンジから手数とヒット数を稼ぐ。しかし宇川も我慢を重ねながらタイミングを計り、カウンターで右有効打を奪い食い下がる。更にはボディ連打を追加して形勢挽回に成功。
3R。パンチ力で大きく見劣る東本は徹底したヒット&アウェイ。宇川は右フック一辺倒でスピード不足をモロに露呈させてしまうが、ラウンド終盤に右1発、東本のアゴを打ち抜く豪快なノックダウン。更に追い詰めるが、ここはゴングに阻まれた。
4R。ラウンド開始早々、東本のパンチが当たり、その勢いで両者が接触すると宇川の左目付近から激しく出血し、試合中断。一発でドクターストップ。裁定は偶然のバッティングによる受傷ということで、負傷判定に。
4Rまでの採点で争われた公式判定は野田38-37(宇川支持)、坂本38-38、北村38-38のマジョリティ・ドロー。駒木の採点は「A」37-37「B」38-38いずれもイーブン。
個性的な戦型の両者による一戦、スピード優位の東本が試合時間の大半を支配したが、パンチ力なら上のクラスで通用するほどの宇川は強打1発で形勢を逆転してしまう。ダウンの交換の末に際どいドロー決着となった。東本は低いガードなど守備面に、宇川はスピード不足とそれをフォローする技術不足にパンチのバリエーションの乏しさに、それぞれ課題が残っている。