駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第5試合・Sフェザー級6回戦/●寺田允[アポロ](判定0−3)松田雄太[SFマキ]○

両者戦績は寺田5勝(0KO)6敗1分、松田4勝(2KO)4敗1分。寺田は6回戦で1勝を挙げてから2連敗中。勝率も五分を割り込んでしまった。昨年12月のアポロ興行以来の再起戦。松田は昨年11月に香川遠征で4勝目を挙げて、これが初の6回戦。
1R。松田はボディワークを駆使しながらのカウンター狙い。歴然たるスピードの優位を活かして寺田の単調な攻撃を捌いては鋭く有効打、クリーンヒットを重ねる。寺田の右目上をパンチで切り裂いて大きくリード。
2R。松田はこのラウンドもマイペース。左カウンターを主武器に圧倒する。寺田は密着してのボディ打ちを狙うが、大半の手数は空振りさせられて苦しい。終了ゴング前には、松田が内藤大助ばりのタメを利かせた大振り左アッパーを浴びせてダメ押し。
3R。このラウンドも松田が完全に主導権を確保。ボディワークを使いつつ、的確に左をヒットさせて優位を固める。寺田は戦意こそ衰えぬが苦しい場面が続く。
4R。松田ペースだが、体力切れかやや消極的。寺田が先手で攻勢に出る場面もあってヒット数も増え、試合の流れが変わり始めた。しかし松田もカウンターを駆使して互角の形勢は維持してみせる。
5R。松田は省エネを図りつつ右アッパーと左ストレートをカウンターを決めて有効打連発。寺田は攻勢点でどうにか挽回したいが“クリーンヒット”要素の劣勢が大き過ぎる。
6R。松田ペースが淡々と続く。寺田の攻勢も目立つが、ヒット数で上回るのは、やはり松田。決定打が無く尻すぼみになってしまうが、互角以上の内容をメイクして逃げ切り成功。
公式判定は西山60-54、坂本60-55、野田59-55の3−0で松田。駒木の採点は「A」60-54「B」60-56で松田優勢。
松田はスピードの差を見せ付けるように軽快な身のこなしを披露。精度のあるカウンター中心に大差リードを築いていった。相性面も恵まれて今日は完勝。しかし今日も垣間見えたスタミナ不足は6回戦以上では響いて来そうな欠点。
寺田はスピード面で大差劣勢、前半戦は何も出来ないまま時間と体力を空費した。後半戦になり、相手が失速すると漸くまともなボクシングが出来たが、今度は作戦負け。6回戦で戦う以上、相手の嫌がる展開を作るような工夫が欲しい。