駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第6試合・Sフライ級契約ウェイト(113ポンド)6回戦/●阿修羅優作[アポロ](判定1−2)山本秀人[神拳阪神]○

両者戦績は阿修羅4勝(2KO)2敗1分、山本5勝(3KO)12敗2分。阿修羅は今年1月に東京遠征でB級緒戦となったが、判定負け。サウスポーの山本は04年5月の勝利以来、1つのドローを挟んでA級目前で8連敗中。
1R。ミドル〜ロングレンジから断続的な打ち合い。共にヒットを重ねるが、山本が1発余分にヒットを稼ぐパターンが続く。終了ゴング前のボディブロー合戦では、両者顔をしかめる痛み分け。
2R。クリンチ、距離を開けてはミドルレンジでの攻防、またクリンチと流れがブツ切りになる展開。しかし山本が右アッパー→左ストレートのコンビを次々とヒットさせてリード。阿修羅も右を返すが及ばず。
3R。山本が左ストレートをビシビシと決めてリード。阿修羅はサウスポーが苦手か、攻守共に精彩を欠いている。空振りと被弾の繰り返しで劣勢が続く。
4R。山本はスタミナ切れで失速。阿修羅にもジックリ狙い撃ちするだけの余裕が生じ、次々とヒット重ねて形勢逆転。山本は手数も減り、打ち合いのチャンスも活かせず。
5R。動きの落ちた山本に対し、阿修羅は先手で右を当て続けて大差リード。山本もラウンド公判にはラッシングしつつの連打で見せ場を作るが、体力消耗は明白。
6R。今度は阿修羅も運動量が落ち、両者ガード下がり、散発的に放たれる強打を互いに当て合う。消耗戦から泥仕合の様相となり、形勢は互角。
公式判定は大黒58-56、宮崎58-57(以上、山本支持)、野田58-57(阿修羅支持)のスプリットで山本。駒木の採点は「A」57-57イーブン「B」59-57山本優勢。
試合前半は山本がサウスポーの利を活かして主導権を握ったが、スタミナ切れで失速。6Rになって相手を泥仕合に引き込んでギリギリ粘り切った形。
阿修羅は明らかに精彩を欠く動きで、これは不調かサウスポーが苦手なのかどちらか。体力の差で猛追したが最後は自身もバテて逆転のチャンスを取り逃がした。6回戦以上を戦うだけのスタミナ配分を身に着けるのが当面の課題か。