駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・Sバンタム級4回戦/●山中浩之[大阪帝拳](3R2分59秒TKO)佐藤裕樹[ハラダ]○

両者戦績は山中3勝(1KO)1敗、佐藤4勝(1KO)4敗4分。
1R。山中はこの試合もラフファイト。重い強打を連発し、ガードごと持っていくようなパワフルさを披露するが、やはりスタミナ面に問題がありラウンド後半には早くも失速。佐藤はアッパー中心に反撃しつつ、山中が失速し始めるとフック、アッパーのコンビネーションで見せ場を作って形勢挽回。
2R。山中の攻勢に対し、佐藤も容易には退かずアッパー起点の4回戦離れした連打を炸裂させてヒット数で大差。しかし山中の圧力とパンチ力は相変わらず猛威で、佐藤が体丸ごと持っていかれる場面も。このラウンドも小差の内容。
3R。佐藤の技術が山中のパワーファイトを凌ぎ始める。アッパーで巧みに迎撃して主導権を奪うと、右カウンターのクリーンヒットで追い討ちしてリズムに乗り、角度を少しずつ変えたアッパー・フックのコンビネーションでヒットを連発。ラウンド終了前の拍子木が鳴った所で山中が無抵抗になると、嵐のような連打を浴びせてTKOまで強奪してしまった。
佐藤が持ち前のアッパー中心に鋭いヒットを連発し、尻上がりの内容で圧巻のTKO勝ち。卓越した技術に対してパンチ力とスピードが追いついていないのが気になるが、最後の畳みかけなどは勝ち方を知り尽くしている感もあり、例年の西軍代表クラスの実力はありそうだ。
山中は2月に続いて今日もラフな猛々しい試合振り。パンチ力やパワーは相当なものだが、ラウンド後半で息が切れるのが大きな課題。これで体力がついてくれば6回戦以上でも戦えるファイターになりそう。