駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第4試合・フライ級8回戦/●吉田ファンキー[奈良](判定1−2)久田哲也[ハラダ]○

吉田は6勝(2KO)1敗1分で珍しいスイッチヒッター。06年に本名の吉田雄佑名義でデビュー。同年を2勝無敗1分でまとめ、07年の西日本新人王では準優勝(決勝で高橋優紀[倉敷守安]に1RKO負け)。同年11月には6回戦で再起し、今年4月にも大差判定勝ちしてA級昇格を決めている。
久田は9勝(4KO)4敗の戦績。03年デビュー、新人王戦では04年に緒戦で本田猛[尼崎]に敗退、05年度も、西日本準決勝で後の全日本新人王・奈須勇樹[Gツダ→角海老宝石]に同年の西日本新人王戦でも屈指の激闘の末に敗退した。その後は不調の時期もあったが、徐々に復調。6回戦で3勝1敗とジックリとキャリアを積み重ねた後、A級でも07年の3戦では2勝1敗と勝ち越し。今年最初の試合となるが、日本ランキングへの足掛かりがそろそろ欲しいところ。
1R。ショートレンジの激しいつばぜり合い。久田は手数豊富にジャブから右アッパーなど見せるが、これをガードした吉田が右フック、左ジャブで数発ヒットを稼ぎ、互角以上の形勢に。
2R。互いのショートを相殺しあう、静かながら激しい打撃戦。久田が手数でややリードし、左ボディのヒット。しかし吉田のスピードと手数豊富な攻めも出色で、形勢は微差の範囲。
3R。吉田はスピード優位活かしてヒット&アウェイで主導権。右フックで有効打を稼ぐ。久田も手数を絶やさず、ラスト30秒で攻勢に出るが決定打無し。
4R。吉田はこのラウンドも右で先制。ステップ使って主導権を支配するが、久田も後半から圧力強めて左ボディをヒット。終了ゴング前には手数をまとめて攻勢点アピールに成功。
5R。久田の圧力がラウンド中盤以降優位となる。ボディ中心に手数をまとめ、アッパー併用で数的優勢を確保。吉田のステップワークは衰えて、最後は完全に久田ペースとなった。
6R。久田の圧力ボディ攻めに対し、吉田は顔面狙いのカウンター。久田が打ち合いで圧し気味に攻めて攻勢点アピールも、吉田は手数リード。ジャッジが割れそうなラウンド。
7R。ラウンド序盤、吉田が様子見ムードの中で手数リードするが、中盤から久田がボディ攻めを起点に大猛攻。吉田はマウスピースを落として最後は防戦一方。
8R。このラウンドも久田が中盤から懐に潜り込んでボディ打ちでダメージブロー。マウスピースを落として体力切れ明らかな吉田だが、最後の最後は踏ん張って反撃。互角の接戦に持ち込んだ。
公式判定は堺谷79-76、宮崎77-75(以上、久田支持)、村瀬77-76(吉田支持)のスプリットで久田。駒木の採点は「A」77-75「B」79-77で久田優勢。
久田はスピード劣勢で試合序盤は苦しい展開となったが、ボディ打ちを起点に相手の消耗を誘い、8回戦の先輩の意地を見せる粘り勝ち。今日はパンチに力感薄く、不調の部類。ランク入りを目指して奮迅を望む。
吉田はスピード活かしたカウンターで大健闘も、後半入ってスタミナ切れで大失速。初の8回戦ではいささか厳しい相手だったか。クラス慣れした次回以降に期待。