駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第8試合・フェザー級8回戦/○山本敏充[江坂](4R2分21秒TKO)松村勝[ウォズ]●

山本は9勝(8KO)2敗1分のサウスポー。05年デビュー、この年を連続TKO勝ちして翌06年には新人王戦にエントリー。3連続KOを含む5連勝で西軍代表となるが、全日本決勝には加治木了太[協栄]に惜敗。07年には4月に8回戦で復帰戦勝利を収めてから、ここまで2勝1敗1分の戦績。前回は今年2月、敵地・九州に遠征して白銀聖道[筑豊]相手に引き分けた試合。
松村は8勝(3KO)6敗のサウスポー。03年にデビュー、同年3連勝で04年の新人王戦に挑むも初戦敗退。再起戦でB級に昇格し、6回戦を3勝1敗でクリアすると、06年6月にはタイ国遠征に出て世界ランカーのナパーポンに挑んだ(5RTKO負け)。07年4月には上原裕介[大鵬]相手に幸運な負傷判定ながら勝利しているが、A級では1勝4敗と壁に当たっている印象。前回は今年3月、玉越強平[千里馬神戸]の日本ランキングに挑んだが、敢え無く2RKO負けを喫している。
1R。松村は右フック中心に大振りの強打で先手。山本は右ジャブ起点に反撃、カウンターで効かせて左右フック連打、アッパー、ボディと多彩な攻めで逆転した。
2R。松村、このラウンド先手を獲るが、山本はショートフックの有効打から、一瞬怯んだ松村にTKO狙いのラッシュ。だがこれは拙速過ぎたか、松村のタイミング良い強打が入った。それでも山本はその後も同じパターンでラッシュのチャンスを3度、4度と作って優勢。
3R。ミハレス×川嶋の2戦目を思い出させる展開で熱戦。山本の右ストレート、フックが松村の顎を揺らしてチャンスをメイク。松村もピンチの度に強打を打ち返して何とか粘るが……
4R。激しい打撃戦が続く。松村がフック連打を有効打してから優勢に立つが、山本も右から連打で反撃。一時は松村ややリードの形勢になったが、山本は豪快な右フックで松村をキャンバスに叩きつけ、即ストップの鮮烈な失神KO勝ちとなった。
山本は回転力とパンチ力で優勢、最後も豪快に決めた。が、これまでのパターンだった右フックで効かせてからTKO狙いのラッシュでは決まらなくなって来ている印象も8回戦に上がって、いよいよ地力の壁も感じ始めた。
松村は劣勢下でも大いに粘って会場を盛り上げたが、グラスジョー傾向が顕著になっており、ここに被弾する度にグラつくなど脆さを感じさせた。今後の展望は更に厳しいものとなっていきそうだ。