駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

 フライ級

決勝進出者&今期戦績

  • 中村優一[正拳] 5勝(4KO)1敗1分
    • 西日本1回戦 VS林昭文[川田]○(1R1分56秒KO)
    • 西日本2回戦 VS前原隆治[ハラダ]○(2R0分12秒TKO)
    • 西日本準決勝 VS甲斐巧真[泉北]○(3R1分23秒TKO)
  • 加藤毅[ヨシヤマ] 6勝(1KO)2敗2分
    • 西日本1回戦 VS山本直輝[塚原京都]○(判定3−0/40-37.39-37.39-38)
    • 西日本2回戦 VS仲田雅宗[八尾]○(判定2−1/40-37.39-37.38-39)
    • 西日本準決勝 VS樋口裕二郎[金沢]△(判定1−1勝者扱い/39-38.38-38.38-38)

試合展望

フライ級戦線は全体的に波乱含みの展開。このトーナメント期間中に地力をつけ、有力候補を撫で斬りにするような3連続KOで勝ち上がった伏兵・中村が一気台頭。これを迎え討つのは、堅実な試合振りでキャリアの豊富さを見せ付けている加藤。春の時点で想定されたのとは違う形ながら、なかなかレベルの高い好カードが実現した。
中村はひ弱さが目立った昨年までの印象を完全に払拭。3連続KOの原動力となったパンチ力も然ることながら、手足のスピードと上体の反応が随分と鋭くなっている。自分から攻めに行った時の攻撃精度が相変わらず低いものの、ツボにハマった時の決定力は相当なもの。加藤は拳と体が一体となった直線的な前進で、相手の技術を粉砕する愚直ながらも力強い試合運びが持ち味。パンチ力も数字上のKO率以上に備わっており、勢いのある攻勢を止めるのは並のグリーンボーイには手に余ることだろう。
試合は、加藤の攻勢を中村がスピードでいなしつつ、迎撃気味に反撃を狙うという展開になるだろう。中村は被弾を避けつつも反撃もなかなか決めさせて貰えないストレスの溜まる展開でどこまで我慢できるか。加藤も初体験となる5R、集中力を繋げなければ、中村の4連続KO劇の相手役を強いられる事になるだろう。この試合も実力伯仲。「ほぼ互角」の見立てだが、勢いに乗る中村の更なる変身に注目しておきたい。