第３試合・フライ級５回戦／▲中村優一[正拳]（判定１−１加藤勝者扱い）加藤毅[ヨシヤマ]△

両者戦績は中村５勝(4KO)１敗１分、加藤６勝(1KO)２敗１分。
１Ｒ。中村はスピードを活かしたヒット＆アウェイで完全に主導権確保。ワン・ツー中心の攻撃はヒット数こそ少ないものの、手数では圧倒的。加藤は中村の強打を警戒しすぎか、自分のペースを見失っている感。後退するばかりではポイントは奪えない。
２Ｒ。加藤が前へ出ていってクロス〜ショートレンジ打撃戦。中村がハンドスピードで打ち勝って主導権握るも、加藤はローブロー気味ながらもボディへ手数を増やし、中村が失速した終了ゴング前には左有効打などの戦果を挙げてほぼ互角に。
３Ｒ。乱打戦模様。スピードの鈍った中村だが、上下にフックを散らして手数を稼ぎ、“アグレッシブ”要素でもアピール。それでも加藤は攻撃精度の優位を見せ付けるように左ジャブやボディアッパーなどで攻め、ヒット数では互角以上。
４Ｒ。クロスレンジ乱打戦。両者ボディ中心に叩き合い、消耗戦の様相に。中村が体格有利を活かして圧力をかけて攻勢アピールするも、加藤も右ストレートで明確なヒットを奪う。形勢微妙なラウンドが続いていく。
５Ｒ。クロスレンジ戦。ここに来て精度の差で加藤が打ち勝つシーンが目立つ。中村は外側からのフックでボディをメクラ打ちするのみで、体力切れ気配濃厚。試合終了直前には、加藤も圧力をかけていって攻勢点をアピールした。
公式判定は半田49-47（中村支持）、宮崎48-47（加藤支持）、原田48-48の三者三様ドロー。イーブンとした原田副審の優勢点投票により加藤が勝者扱いとなった。駒木の採点は「Ａ」48-47「Ｂ」49-48で加藤優勢。１Ｒは中村、５Ｒを加藤で分け合い、２〜４Ｒは全て際どいラウンドという大接戦。判定は割れて然るべき試合。ただ、スタミナで勝る加藤に優勢点が流れたのは妥当だろう。
加藤が粘りのボクシングで接戦を制す。１Ｒは完全にスピード負けしたものの、徐々に持ち味を活かせる展開となり、５Ｒには体力の差を活かして逆に圧倒した。この豊富なスタミナは際どい優勢点投票でもプラスに働いた事だろう。
中村は１Ｒにヒット＆アウェイ作戦で持ち前のスピードを活かす勝ちパターンに持ち込んだかに見えたが、スタミナ切れがことの他早く、試合後半では精度難ばかりが目立ってしまった。どうやら長いラウンドを戦うための体力に課題が残っていそうだ。