駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第9試合・ライト級4回戦/▲柳瀬達也[エディ](判定1−0人見勝者扱い)人見真太郎[大鵬]△

両者戦績はサウスポーの柳瀬が2勝(0KO)無敗、人見は3勝(2KO)3敗。
1R。柳瀬は強引に出て強振。しかし強引過ぎて前にのめり過ぎクリンチの多い展開。ヒット数も少なく攻勢点か、乱暴な突進か微妙な所。人見はクロスレンジ戦の不得手解消されず手が全く出ない。クリンチばかりで試合にならない。
2R。柳瀬はプッシング、ヘディング、オープンブローと反則スレスレのラフファイト。人見の動きを封じてオーバーハンドで有効打。人見はガード固めるばかりで策なし。
3R。人見は漸く手数増えて攻勢。ラウンド前半にクリーンヒットを貰って大ピンチも、柳瀬も被弾と体力切れで完全にグロッギー。最後の方はホールディングで反則減点が無いのが不思議な程のクリンチ連発でどうにか凌いだが……
4R。完全にバテバテの柳瀬は頭から突っ込んでクリンチに逃れるので精一杯。人見は明らかに辟易した表情を見せるが、アッパーなどを合わせて確実にポイントは奪取。
公式判定は川上39-37(柳瀬支持)、原田38-38、坂本38-38のマジョリティドロー。イーブンとした2副審が優勢点投票でいずれも人見を支持したため、逆転で人見が勝者扱いとなった。駒木の採点は「A」「B」いずれも38-38イーブン。
この裁定は非常に珍しいケースだが、試合全体の内容を考えると極めて妥当な判断。むしろ柳瀬を2点差で支持した採点が有り得ないミスジャッジである。3Rは序盤に決めたクリーンヒットで柳瀬を最大限評価するにしても、中盤以降に複数回の被弾と体力切れでダウン・TKO寸前のグロッギー状態に陥っているのだから、少なくとも10-9柳瀬は有り得ない。先の佐藤×菊地戦もそうだったが、この日の川上レフェリーの採点は余りにも不可解だ。また、柳瀬は試合全体を通じてプッシング、ヘディング、ホールディング、オープンブローと反則行為が非常に目立っており、これに減点どころか警告も殆ど与えなかった半田主審の判断にも疑問が残る。例えば4Rにダウン逃れのクリンチを繰り返す柳瀬に減点1を科し、試合内容と採点結果を一致させる努力を講じても良かったのではないだろうか。
人見は相変わらずの接近戦下手を曝け出して大苦戦も、後半戦を確実に抑えて際どくドロー勝者扱いを拾った。
柳瀬は反則紛いのラフファイトを連発。スコアは優勢だが、内容はハッキリと劣勢。西日本新人王に相応しい最低限の地力がまだ身についていない印象。じっくりと鍛え直して来年のリベンジを期待したい。