駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・ウェルター級契約(65.0kg)4回戦/●本松隆志[SFマキ](判定0−3)村上拳弘[神拳阪神]○

本松は勝ち負け無しの2分。村上はこれがデビュー戦。本松は昨年6月、9月に続いての3戦目。
1R。この階級の4回戦らしい激しいドツき合い。村上が被弾も構わずボディ起点に本松の顔面を攻めて圧倒的優勢。レフェリーに衝突させつつロープへ弾き飛ばし、ロープダウンを奪った。本松も効いた感じながら、踏ん張って激しく反撃し早くも熱戦に。
2R。本松が左フッククリーンヒットで先制し、ペースを握る。村上もワン・ツーやフック連打で抵抗するが、本松が要所でクリーンヒットを連発する。しかし本松はラウンド中のブレイクの際、そして終了ゴング後にも不意打ちを見舞い、悪質な反則として減点1。本松側のチーフセコンドが村上に駆け寄って陳謝する場面があったが、これはあわや反則負けの危うい場面。
3R。本松がフィジカルの差で先制するが、程なく回復した村上は右のフェイントから左フックのクリーンヒットを連発。本松はこれでダメージ深く、反撃試みるも迫力が失せた。消耗戦の様相に。
4R。軽打中心の牽制から本松ラッシュ。しかし消耗激しく、決める前に村上に凌がれた。最後は互いに体力切れで決定打が出ず、本松が“クリーンヒット”要素で1ポイント稼ぐに留まった。
本松は1Rにダウン1回、2Rに終了ゴング後の故意加撃で減点1。
公式採点は西山38-36、原田38-36、野田38-37の3−0で村上。駒木の採点は「A」38-36「B」38-37で村上優勢。
村上が1Rの猛ラッシュ・ノックダウンで大きく先行したが、消耗も激しく後半戦はアップアップ。相手の減点にも救われて辛くも逃げ切った。現時点ではディフェンス面の技術不足が心配。
本松は相手よりも自分に負けた形の敗戦。ボクシングの技術以前に、プロスポーツマンとしての精神面に課題が残っている事が露呈した。次は、全国の練習生が憧れる銀色のライセンスカードが泣かないような試合をしてもらいたい。