駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第4試合・Sバンタム級6回戦/●坂本裕喜[進光](判定0−2)島田惇輝[明石]○

両者戦績は坂本14勝(6KO)6敗4分、島田5勝(2KO)2敗2分。坂本は元OPBFランカーで、タイトルマッチ経験もある選手だが、昨年9月、丹羽賢史[Gツダ]に敗れて以来ブランクを作っていた。6回戦選手を相手の再起戦、絶対に落とせない試合だ。島田は今年3月にB級初勝利を得ての格上挑戦。唐突な印象のあるチャレンジマッチだが、ここを足掛かりに上を目指したいところ。
1R。ミドルレンジの打撃戦だが、クリンチ多く膠着気味。先手で島田がストレート、フック中心に手数を稼ぐが、坂本が作るA級のペースに戸惑い、ヒットは少なめ。坂本は相変わらずの攻撃精度難で、せっかく主導権を奪ってもパンチが的にハマらず。
2R。クロスレンジ中心に打撃戦。坂本が前半からボディ中心にヒットを重ねる。島田はこのレベルに入ると動きが粗い印象で、フックアッパー中心の連打も乱雑。
3R。島田は距離が開けばストレートが活きるが、クロスレンジでは坂本のショートフックが機能する。それでもラウンド後半から島田が手数を増やして追い上げようとするが、これも精度甘く、散漫な印象。
4R。島田が手数で先行。クロスレンジでも上下へショート連打集めて数的リード。しかし坂本も右フックを強引に浴びせてグラつかせるなど貴重な見せ場を作った。
5R。やや散漫な印象の打撃戦。島田が圧力かけつつ手数でリードするが、決め手に欠ける。坂本は密着してのショート中心に応戦したが、こちらも迫力に欠ける。微妙な内容のラウンド。
6R。泥仕合気味の膠着戦。坂本がショートフックで先行するが、島田も手数出して抵抗。両者決め手に欠け、KOの予感は皆無。
公式判定は宮崎58-56、川上58-57、野田58-58の2−0で島田。駒木の採点は「A」57-57「B」58-58でイーブン。
島田が一足飛びに元東洋ランカーを撃破して堂々たるA級昇格。今日は6回戦にして“昇格の壁”との戦いで、得意の右ストレートも出せず、攻撃全般の正確性といった意味でも課題が残ったが、ポイント争いは手数攻勢で際どく押し切った。
坂本は密着してのショートフック以外に見せ場を作れず。A級選手としては致命的な攻撃精度不足が、今日も足を引っ張ってしまった形。