駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第9試合・ライト級契約ウェイト(131ポンド)6回戦/●片山博詞[アポロ](判定0−3)松田雄太[SFマキ]○

両者戦績は片山9勝(2KO)2敗1分、サウスポーの松田5勝(2KO)4敗1分。片山は5月に佐梁孝志[明石]に負傷判定負けを喫して2敗目。念願の日本ランク獲得へ燃えていたが、急遽相手変更で6回戦での調整戦ということに。松田は出世が遅れていたが、5月にB級緒戦で初勝利。今回は格上挑戦の形でより条件は厳しくなるが……
1R。松田がロングレンジで完全に主導権。ジャブに左ストレートが綺麗に決まって一方的展開に。片山は踏み込むことすら出来ずに防戦一方。このラウンドに限って言えば、どちらがA級選手か判らない。
2R。このラウンドも松田がスピードと左カウンターを駆使して完全に試合を支配。片山はクリンチして泥仕合に持ち込みたい所だが果たせず、逆にヌルいクリンチで松田にスタミナを温存させてしまう結果に。
3R。松田はこのラウンドも右ジャブ、アッパー、左ストレートでヒット、有効打稼いで優勢。片山は強引なフック攻勢で活路を開きたいが、膠着に持ち込むのが精一杯で数的劣勢否めず。
4R。松田がここでも主導権確保。ラウンド後半にはボディ連打で片山がグロッギーに。ノックダウンのチャンスもあったが、スタミナ不安抱える松田は自重してポイント確保に専念。片山の右を浴びてヒヤリとするシーンもあったが、ここは無難にまとめた。
5R。松田、やや慎重にジャブ、ストレート中心の立ち回り。体力切れでスピード衰ええて被弾目立つも、ラウンド後半は優勢にまとめて互角以上の内容。片山は場当たり的な反撃に終始し、主導権は奪えないまま。
6R。松田はインターバルでややスピードが戻ったが、片山の圧力の前に守勢。いよいよ攻撃を見舞う余裕が無くなって来た。だが片山の反撃も乱暴で、KOチャンスには至らず時間を空費した。
公式判定は半田59-56、野田59-56、中村58-56の3−0で松田。駒木の採点は「A」59-55「B」60-56で松田優勢。
松田がスピード、テクニックを活かしたハイセンスなボクシングで前半戦を完全に支配。5R以降失速して点差は縮まったが、格上に完勝してA級昇格。自他共に認めるスタミナ難のため、ラウンドが伸びるのは有利ではないが、テクニックは上のレベルでも通用する。
片山は相性最悪のマッチメイク。アクシデントによる相手変更とは言え、松田は前回の自ジム興行にも出場していた選手でもあり、このカードを組んだ陣営に最低限の研究を怠った謗りは免れまい。すっかり平凡なノーランカーの地位に固定されつつあるが、それにしても6回戦でこの体たらくは頂けない。