駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第6試合・フライ級契約ウェイト(49.5kg)8回戦/●田中周次[緑](1R1分48秒KO)戎岡淳一[明石]○

田中は6勝(2KO)2敗2分の戦績。05年デビュー、06年まで1分を挟んで4連勝を挙げ、07年の新人王戦にエントリー。中日本Lフライ級新人王に。中日本との地区対抗戦には敗れたが、今年2月には06年度中日本同級新人王の田村健二[松田]を降して再起と同時にA級昇格を果たした。今回は元世界ランカー相手に初めての8回戦という試練の場。
戎岡は17勝(7KO)11敗3分の戦績で現在日本Lフライ級10位、WBCミニマム級22位。98年にデビュー、00年に挑んだ新人王戦は西日本決勝で敗退。その後は実力確かな相手とのハードなマッチメイクを重ね、勝ち負けを繰り返す白黒の使い分けが派手な戦績を重ねていたが、05年6月に元世界王者・ピチット・チョー・シリワットを逆転KOで降し、世界ランカーに浮上する。だが06年1月には日本タイトルに挑戦するが惜しくもドロー。その後は格下相手に苦戦を重ねてランキングも降下するなど停滞期に入る。07年8月には元世界王者ホセ・アントニオ・アギーレに判定勝ちして漸く再浮上のきっかけを掴み、調整戦を2戦こなしたところでWBC世界ミニマム級王者オーレイドン・シスサナーチャイ[タイ国]からのオファーを受け、08年6月に敵地で世界タイトルマッチに挑んだ(9RKO負け)。今回は準地元の神戸で若手相手に臨む再起戦である。
1R。戎岡、田中の仕掛けを捌きつつ、右ストレート→左フックでいきなりのクリーンノックダウン。再開後、田中の一撃を喰って相変わらずの守備難を垣間見せるも、ショートストレートをテンプルに叩き込んで2度目のノックダウン。膝から崩れた田中は立てる気配無く、カウント6の時点でタオル投入。本来はTKO裁定となるが、西日本では2度目以降のダウンでダメージ深刻な場合は「KO」が採用される。
戎岡が再起戦を最高の形で飾った。相手の田中には悪いが、流石にこのレベルの相手には負けていられないところだろう。攻撃力はやはり日本上位クラスのものがある。
田中は初の8回戦でこの相手は厳しい。相手にしてもらえなかった、というのが率直な表現。