駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第6試合・Sバンタム級6回戦/●佐藤裕樹[ハラダ](判定0−2)小阿洋一[仲里ATSUMI]○

両者戦績は佐藤6勝(1KO)4敗4分、小阿はサウスポーで10勝(1KO)3敗。佐藤は新人王戦で西日本決勝まで進出するも、ドロー敗者扱いに涙を呑みこれが再起戦。小阿はGツダジムからの移籍緒戦で、07年8月以来の復帰戦。本来はA級選手だが、6回戦からの再調整となった。
1R。小阿はブランクの影響なく、A級ボクサーらしい重心のしっかりした構えから自在の攻守。佐藤はサウスポー戦に戸惑ったか、攻守に戸惑いが見えるが、ラウンド終盤にはフックとでストレートでヒットを重ねて肉薄。
2R。佐藤はガードを固めてアグレッシブに攻めるが当たりが不完全。ガードの上からの被弾で足が止まるなど、頼りないシーンも。小阿は落ち着いたアウトボックス。ラウンド後半からキレのある攻守を披露してヒット稼ぐ。
3R。佐藤はやや強引に前、前へ出ながら強打攻勢。右ストレートで有効打2発、そして左ボディで小阿を嫌がらせる。小阿は右ジャブ、アッパー中心。的確な攻めは流石にA級ボクサー。
4R。佐藤の構成は衰え知らずだが、空振りが目立ち、かえって悪印象か。小阿は捌き中心のボクシングながら、安定した動きの中で時折見せる連打で主導権をアピールする。
5R。佐藤は、今後は手数控えてフェイント使いながら右単発狙い。これがハマってヒット、有効打連発。小阿も後退しながらもジャブ中心に牽制するが、やはり受身の印象が強い。
6R。同様の展開だが、小阿が先手を意識した立ち回りで主導権を奪回。佐藤も右で見せ場を作るが、このラウンドはやや空転。最後の最後でA級とB級のテクニックとキャリアの差が出た形。
公式判定は大黒58-57、半田58-57、原田58-58の2−0で小阿。駒木の採点は「A」58-56小阿優勢「B」58-58イーブン。
小阿が15ヶ月ぶりの再起戦をキャリアと技術を感じさせるアウトボクシングで制す。しかし辛勝の部類で、やはり決定力不足と受身になりがちなスタイルは今後も採点で響いて来よう。
佐藤は1、2Rにサウスポー相手とあって戸惑った感じ。3Rからはラフに出て“クリーンヒット”要素で優位に立つが、いつもよりも相手に捌かれた印象が強く、動きのキレも今一つに見えた。今日は良い経験になったはずで、問題はこれを今後に繋げられるかどうか。