第５試合・バンタム級４回戦／○小笠原和寿（２Ｒ３分09秒ＫＯ）岡正樹[SFマキ]●

今年の西日本新人王トーナメントの開幕戦。昨年と同様、激戦区のバンタム級から熱戦の火蓋が切って落とされた。小笠原は２勝(2KO)１敗１分、岡は２勝(2KO)４敗１分の戦績。その他詳細な資料は展望記事（→http://d.hatena.ne.jp/komagi/20060317#p4）を参照のこと。ちなみに岡は奇しくも前年度もトーナメント開幕戦に出場していた。
１Ｒ。小笠原は持ち味のハンドスピード豊かなフックを連発して打撃戦を仕掛ける。すると接近戦巧者の岡もこれに応じて、試合開始早々から激しいバトルが展開された。ラウンド全体を通じての形勢は、攻守の技術に勝る岡がやや優勢も、ラウンド中盤に左フックのカウンター合戦で小笠原がクリーンヒットを勝ち取りノックダウン。岡にとっては痛恨の“減点２”となった。
２Ｒ。愚直とも言うべきフック連打の猛攻で追いすがる小笠原だが、岡はこれをガードとパーリでガッチリとディフェンス。逆にワン･ツー中心の攻めで優勢を築く。完全に主導権移動かと思われたラウンド終了のゴングと同時、またも左フックのカウンター合戦となって、１ＲのＶＴＲを見ているかのような結果で小笠原が２度目のノックダウン。岡は立ち上がってファイティングポーズを取ったが、ジャッジで４点差となっては挽回は不可能。原田レフェリーがＴＫＯ裁定の代わりに10カウントを数えてＫＯ決着となった。
小笠原がＫＯ狙い一本の攻撃的なファイトに磨きをかけ、見事に１回戦を突破。ただ、１発ごとのパンチの精度など技術面の未熟さは覆い隠しようもなく、今後も格上に勝ったり格下に負けたりの“丁半バクチ”が続く事だろう。果たして当たりの目を何回連続で出す事が出来るだろうか。
一方、２年連続で西日本トーナメント敗退者第１号という不名誉を被ってしまった岡だが、ダウンを喫した２度の場面を除けば少差ながら優勢をキープしていただけに、これは泣くに泣けない結果。実力云々というより勝ち運に恵まれなかったという感じで、同情を禁じ得ない。