駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2試合・Sバンタム級4回戦/●大林文範[尼崎](判定0−3)佐藤裕樹[新日本大阪]○

スーパーバンタム級の1回戦。
両者の戦績は、大林2勝(1KO)1敗1分、佐藤2勝(0KO)3敗4分。詳細はトーナメント展望(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20060317#p5)を参照の事。
1R。大林が攻守に冴え。ダッキング、ウィービング、パーリングと守備のテクニックを総動員して佐藤の攻撃の大半を捌き切り、ジャブからフック、アッパーとコンビネーションを鋭いハンドスピードで放って逆にヒットを連続奪取。それでも佐藤も粘り強く喰らい付き、アグレッシブな姿勢を崩さず少差で凌ぎ切る。
2R。大林の動きがやや落ち着いてしまい、主導権は佐藤の下へ。大林の打ち終わりを狙って右ストレート、左フックでクリーンヒット連発。大林も左ボディフックを中心に有効打を奪うも、ラウンド後半からは完全に圧され気味。
3R。佐藤がこのラウンドも相手の打ち終わりやカウンターを狙う。右ストレート、左アッパー、フックでクリーンヒットを連発し、徐々に形勢の差を明らかにしてゆく。大林もフック中心にアグレッシブさを失わないが、被弾で効かされた分だけ動きが明らかに鈍った。
4R。佐藤、このラウンドもガード、ダッキングから右ストレート、左フックでクリーンヒット、有効打。大林はいよいよ動きに精彩を欠いて苦しい。
公式判定は40-36、39-37、39-37の3−0で佐藤。駒木の採点も39-37で佐藤。
両者の成長著しく、嬉しい誤算の好試合。特に勝った佐藤は大いに成長の跡を見せる戦い振りで、攻撃面ではハンドスピードとパワー、守備面ではダッキングに長足の進歩。特に相手の打ち終わりやカウンターを狙う右ストレート、左フックが出色で、総合的に見れば6回戦級の実力はある。一躍、今期トーナメントの注目株に伸し上がった。
大林も1Rは6回戦級のテクニックを披露したが、打ち終わりからガードへの復帰が一瞬遅れる所を盛んに狙い撃たれて、なし崩しに劣勢を強いられた。ディフェンスの巧みさやコンビネーションブローなどには素質開花の兆しが見られるので、この敗戦にめげず是非とも巻き返して欲しいと思う。