駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・ライト級4回戦/○竹中聡[大鵬](2R1分29秒TKO)寺田允[アポロ]●

8人参加のライト級1回戦(=準々決勝)。両者戦績は竹中3勝(0KO)1敗、寺田2勝(0KO)2敗1分。詳細はトーナメント展望(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20060317#p8)を参照の事。
1R。頭を低くし、大股で踏み込んでオーバーハンドフックを振るう強引なファイトスタイルの寺田が竹中の虚を突く形で手数先行。ガード固い竹中はこれらの攻撃をほぼ完封するが、なかなか自分のリズムが作れずに手数が出ない。不完全な形でも被弾もあり、このラウンドはやや竹中劣勢。
2R。ゴング直後、竹中は左でフラッシュ気味ながらノックダウンを奪う。寺田はダメージ無く戦線復帰し、その後は左右上下のフックで攻め立てる。しかし竹中はこの寺田の攻めっ気を利用するカウンター狙いで対抗し、右ストレートをクリーンヒットさせて効かせると、野田レフェリーが飛び込んで早めのストップ。寺田陣営から抗議とも愚痴とも採れるニュアンスの「ストップ早いなあ」という声が聞こえた。確かにまだ形勢が寺田から竹中に傾きかけた段階でもあり、せめて2ノックダウンの自動的KOになるまで試合を流すべきだったのではないかと思う。
さて勝った竹中は、昨年の好調時とは一味違う戦い方を見せて初のKO勝利を飾った。ディフェンスの堅実さやカウンターを取る技術など新味も見せ、昨秋のスランプからは完全に脱せられたようだ。ただ今日は自分から試合を作るムーヴは見られなかったし、動きそのものも往時に比べると少々物足りない。次戦・準決勝でもう一味違う戦い振りを見てみたいし、それが期待させるだけのポテンシャルはある。
敗れた寺田は、トリッキーな動きを駆使して上手く相手を撹乱していたが、最後は能力の絶対値の差で負かされた格好。