駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第11試合・ミドル級4回戦/○福森智史[正拳](判定3−0)鳥居文彦[進光]●

両者戦績は福森2勝(2KO)、鳥居1勝(0KO)。鳥居は4/10の1回戦がデビュー戦だった。
1R。両者ガードを固めてワン・ツー合戦。鳥居がジャブを福森のガードの隙間に捻じ込んでいって先制するが、終盤には福森が強打を効かせて猛攻も、鳥居は上手いガードで決定打を許さない。
2R。鳥居の左フックが要所で有効打となり先行する展開から、福森もジャブ、ストレートで強引に効かせて劣勢を挽回。だが福森はフック・アッパーといったあたりがこのラウンドも決まらず、攻め切れない印象も。
3R。鳥居、このラウンドも左中心の強打で福森の動かぬ頭を狙い撃ちしてゆくが、福森は超強烈なワン・ツーを強引に効かせていってKO寸前の場面まで作ってしまう。恐るべきはそのパンチ力。
4R。福森がショートアッパー、ワン・ツーでヒットを奪うと、鳥居は完全に効かされてグロッキー。しかし福森も疲れが窺え、両者マウスピースを吐き出す乱戦へ。与えたダメージは福森だが、鳥居の左も有効な攻めとなっていた。
公式採点は大黒、上中、原田の三者とも40-36で福森を支持。駒木の採点は「西」38-38イーブン「東」39-38福森優勢。公式ジャッジは福森の攻めの不完全さ・強引さに目を瞑り、与えたダメージの量に着目したのだろう。“クリーンヒット”の採点基準にダメージの量が明記されているので、これを最重要視するのも一つの見識である。
福森は恐ろしいまでのパワーで効かせて、結果的にフルマークの完勝をもぎ取ったが、ショートブローやフック、アッパーの打ち方やディフェンス面で未熟さを露呈。素質は感じさせられながらも課題だらけの試合となった。
鳥居はデビュー戦に比べると固さが抜けて、試合振りは随分と良くなった。左カウンターを随所で決めるなどして主導権も握ったが、相手の破格の腕力で吹き飛ばされた格好。