駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第9試合・Sライト級4回戦/○越崎泰広[尼崎亀谷](判定3−0)塚本隆太[明石]●

両者戦績は、越崎3勝(3KO)2敗、塚本1勝(0KO)2敗。塚本は連続不戦勝で戦わずしての準決勝。今回が昨年12/4以来のリング。
1R。越崎はガードを固めつつ様子見の構え。塚本はジャブをコツコツと当てて先手を取ると、上下ボディフックを見せるなど成長の跡を窺わせる戦い振り。だが越崎はラウンド中盤以降、右ストレート中心に力ずくの強打を浴びせて猛攻、形勢を互角以上に挽回する。塚本もジャブの差し合いでは優勢なのだが……
2R。塚本は鋭い左ジャブ、フックで攻め、打撃戦を優位に戦う場面も目立つが、越崎も右ストレート起点に強打を浴びせてまたも劣勢を挽回。だが今日の越崎は相手に付き合い過ぎの感も。
3R。塚本が鋭いワン・ツーでこのラウンドも先制。しかし越崎はすぐさま右ストレート、ボディフック、左右の顔面へのフックを畳み掛けて有効打連発。その後は打ち合いでも越崎が優位に立ち、明確な差をつけてこのラウンドを終える。
4R。激しい打撃戦。ハンドスピードの活きる中間距離では互角の攻防戦も、距離が詰まるとパワーで勝る越崎の支配下へ。右ストレート、左右フックを次々と浴びせてこのラウンドも優勢を確保した。
公式判定は上中40-36、大黒39-37、原田39-37の3−0で越崎。駒木の採点は「西」40-36「東」40-37で越崎優勢。
越崎は、試合前半こそ相手の距離で様子を見過ぎて劣勢に陥る場面もあったが、その後は近距離での打ち合いで優位に立って終わってみれば完勝で決勝へ進出。ただ、最近は角が取れたというか「何をしでかすか分からない」ような危険な雰囲気が薄れ、その割に技術面の向上がそれほど見られないのが少し気がかりではある。「安定感を増した」が「こじんまりとしてしまった」にならぬよう、更なる精進を求めたい。
塚本は久々の実戦だったが、ハンドスピードのあるワン・ツーやフックの連打など著しい進境が窺えた。しかし試合後半、自分の距離を失ってからはなし崩しに戦況を悪化させてしまった。この辺りはキャリアの浅さが出た形で、つくづくも不本意な不戦勝2連発が悔やまれる。