駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第4試合・バンタム級6回戦/●大北正人[角海老宝石](5R2分25秒TKO)林孝亮[緑]○

東軍代表・大北は7勝(3KO)1敗の戦績。東日本決勝は非常に際どい内容&採点の小差判定辛勝。素軽いステップワークに手堅い攻守の技巧が光るが、ややパンチ力不足の傾向が窺えたのが気になった。
西軍代表・林は9勝(5KO)無敗。西軍代表決定戦では、西日本地区の大将格・橋詰知明[井岡]との激闘を制して西軍MVPを獲得。トーナメント途中の調整戦で敵地・後楽園で6回戦選手にKO勝ちするなど、充実したキャリアを積んで来ている。「肉を切らせて骨を断つ」を地で行く、タフネスと強打が持ち味のファイター。
1R。両者距離を開けての探り合いからスタートしたが、林はラウンド後半から圧力かけてボディフックでヒット数を稼いでゆく。しかしワン・ツー中心に手数で応戦していた大北が、ラウンド終了直前にカウンターでノックダウン。波乱の幕開け。
2R。劣勢挽回を狙う林は圧力強めてアグレッシブにラッシュ。徐々に左ジャブ、右ストレートのヒット数を増やし、更に右のクリーンヒットを追加してこのラウンドの形勢は大差に。大北は守勢に回りつつも、上下へ打ち分けるワン・ツーで懸命の抵抗を見せたが……
3R。近距離での乱打戦。林がアグレッシブに連打を決めるが、大北がカウンターを次々と決めてヒット数では互角以上に。林はボディブローと右ストレートで強引に効かせるが、ジャッジ的には微妙か。
4R。タフな乱打戦。林が派手な連打でヒット数、有効打数で優勢に立ち、ラウンド終盤には猛攻を加えてリード。しかし大北がアッパー、フックをカウンターでスマッシュさせて林を効かせる場面もあった。
5R。壮絶なタフマッチが続く。林が左フック起点に度々クリーンヒットを奪って効かせ、傷も負わせる。一旦は大北に右フックで痛打を浴びせられてもこれを堪え、さらに猛打を畳み掛けていって遂にTKOを強奪した。
林は1Rにダウンを喫する不覚も、これで目が覚めたのか2R以降は度々ラッシュを仕掛けて優勢。打ち終わりやカウンターでの被弾もあったが、得意のパワープレイに相手を巻き込んでいって、最後は物量作戦で押しきった形。
大北もタフさを発揮して大いに粘ったが、パンチで負った傷とダメージの蓄積を見咎められて最後は無念のレフェリーストップ。2R以降、明確にポイントを奪えなかったのも響いたか。