駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第8試合・フライ級4回戦/●石井秀明[ウォズ](判定0−3)長野憲次[尼崎]○

両者戦績は石井2勝(0KO)3敗2分、長野1勝(1KO)3敗1分。
1R。石井は左フック、ジャブ、右フック中心に大振りの攻勢。長野はステップを踏みながら捌こうとするが被弾率高く反撃も鈍い。石井の数的リードが目立ったラウンド。
2R。石井は圧力含みの強打攻勢。スピード感無く、強引にも見えるがアグレッシブさは目立つ。長野はステップワークで対処しつつ、やや粗いフックで返す。
3R。石井が追い足使いつつの攻勢だが、長野がステップで捌きつつ、右ストレートを当てるシーンを作った。石井のアグレッシブさが目立つが、このラウンドはヒット数を稼げず、主導権支配ではむしろ見劣りも。
4R。石井が序盤に右アッパー有効打で先制も、その後は長野がステップ使いつつ手数豊富に反撃して形勢を微妙にした。
公式判定は洲鎌40-38、半田39-37、坂本39-37の3−0で長野。駒木の採点は「A」40-36「B」40-38で石井の方を優勢と見たのだが……。石井の強引に過ぎる攻勢が“乱暴な突進”として嫌気され、長野の懸命の捌きが“リング・ジェネラルシップ”の優越としてジャッジに評価されたようだ。
長野がデビュー戦以来、2年ぶりの勝利でベスト4進出。相手のやや乱暴な攻勢を手足をフル稼働させて懸命に捌いてジャッジを味方につけた。ただし、攻撃がヒットに繋がらない大振り中心では、これより上のクラスでの戦いは心許無い。地力的には4回戦下位クラスから漸く脱しようとしている辺り。
石井はいかにも粗い強打攻勢に終始。ヒット数や攻勢点で優位に立ったように見えたが随分とジャッジに嫌われたものだ。視覚的に鈍重に映る突進が、採点基準との相性面で問題があるのかも知れない。