駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第13試合・Sライト級4回戦/●田中敦朗[塚原京都](判定0−3)高瀬浩平[江坂]○

両者戦績は田中1勝(1KO)1敗、高瀬3勝(0KO)1敗。
1R。高瀬はジャブを当てながら様子見気味の構え。しかし田中が強引なラッシュを仕掛けると、これをロープに詰まったまま、ガードを固めただけで相手のやりたい放題を許してしまう。ラウンド終盤、漸く高瀬が攻勢に出てヒット連発し格好をつけたが……。田中は昨年よりは随分とボクシングらしい動きをしているが、手足のスピードは平凡で、更にガードが極端に甘く、相手の攻撃を全部被弾してしまう。
2R。田中はこのラウンドもジリジリと攻勢仕掛け、度々ロープへ詰めては上下へ散らした強打で手数を稼ぐ。高瀬はまたもロープ際に詰まってガードを固めるだけで守勢一方のシーンが目立つが、ラウンド終盤に猛然と反転攻勢に出てヒットを連発、田中をフラつかせる。
3R。高瀬はまたも守勢になる場面目立つが、田中がガス欠気味になった所でジャブ連打やストレートを当てまくって逆転。田中は全ての動きがボクシングのセオリーから微妙に外れており、何とも言えぬ雰囲気を醸し出す。
4R。高瀬はこのラウンドも田中の弱弱しい攻勢に身を任せてしまう場面が目立つが、ひとたび反撃に移ると力強い。クリーンヒット連発して効かせて形勢逆転。田中はラウンド序盤にアッパー連打で作ったリードを易々と手放してしまった。
公式判定は宮崎40-36、洲鎌40-37、坂本39-37の3−0で高瀬。駒木の採点は「A」39-37「B」39-38で高瀬優勢。
高瀬は守勢に回ると完全に手が止まってしまうという悪癖を露呈。実力差の大きな相手を仕留め切れずに苦戦を強いられた。今日は課題だらけの内容で、優勝候補としては落第点。
田中は彼なりに健闘して4R完走。しかしガードがまるで機能しておらず、相手の反撃を全て浴びてしまうような状態で、これでは勝てる試合も勝てない。厳しい採点は去年の酷い試合振りが尾を引いているのだろう。