駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第15試合・ウェルター級4回戦/○水本昌寛[井岡](判定2−1)藤本浩司[八尾]●

両者戦績は水本2勝(0KO)無敗、藤本2勝(0KO)4敗。
1R。両者アグレッシブ。精度よりもとにかく手数、といった印象の粗い試合振り。フック合戦を水本が制し、藤本を後退させるシーンがあったが、藤本も渋太く手数を返し、細かいヒット集めて形勢は微妙。
2R。藤本が相手の懐へ飛び込んでショートブロー攻勢。ヒットは不完全だが手数は優位。水本はリードジャブの次に放つ右の精度が悪く、手数・ヒット数を稼ぎきれない。
3R。このラウンドも手数、手数の乱打戦で始まったが、藤本が不用意に距離を開けたのが水本の思うツボ。得意の中間〜遠距離から狙い撃ちでペースを握ると、クリンチ状態でもボディ打ちを効かせて力ずくポイント確保に成功。
4R。最後まで乱雑な印象の抜けない乱打戦。水本が左ボディを効かせたが、藤本も圧力強めて攻勢を仕掛け、やや強引ながらも手数で小差リード。ジャッジ的には際どい。
公式判定は半田39-37、宮崎39-38(以上、水本支持)、野田39-38(藤本支持)のスプリットで水本。駒木の採点は「A」39-37水本優勢「B」39-39イーブン。
大味で乱雑な印象の残る、4回戦でも平凡な水準の一戦。水本が要所を印象的なボディ打ちでアピールして際どいスプリットデシジョンを制したが、リードブローからの右など、精度の甘い攻撃が目に付いた。今期西日本勢の有力候補に挙がる存在ではあるが、まずは当てるパンチを打てるようにならねば後楽園や全国制覇など夢のまた夢。
藤本は手数、手数で攻めて惜しい内容だったが、こちらも精度に欠け決手不足に陥った。やはりコンスタントにヒットを奪えなければポイント確保は難しい。