駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・ミニマム級4回戦/○高梨竜平[高砂](2R1分49秒TKO)山口鋭二[森岡]●

両者戦績は高梨3勝(1KO)無敗、山口4勝(3KO)3敗1分。
1R。山口がアグレッシブに攻め、手数で先手。その多くは高梨のガードに阻まれるが、激しい打撃音を響かせてインパクト十分。高梨は的確な守備、せめても一瞬の隙を突いて明確なヒットを重ねて実力の片鱗見せるが、このラウンドは軽打ばかりが目立って非力な印象。
2R。高梨はやや攻撃寄りにシフト。山口の攻めを捌きつつジャブでタイミングを計り、二の矢を狙う。山口もスピードやコンビネーションの勢いでは肉薄する勢いで迫ったが、ラウンド後半に入ったところで高梨の左フックがグサリとクリーンヒット。一撃で山口は足元がフラつく大ダメージ。そこへ高梨がすかさず左を追加すると、坂本主審が割って入って早めのストップ。山口は不満そうも、激しく効いていたように見えたのは事実。残り時間を考えると止む無しか。
高梨は昨年の西日本準V相手に余裕残しのTKO勝利で早くも決勝進出。スピード、ディフェンス、決定力いずれも一級品。問題はやはり体の線の細さ。フィジカルな非力さでジャッジの印象を損ねないような配慮・努力を怠らないで欲しい。
山口は彼なりに絶好調の試合振り。ほぼ五分の内容で健闘したが、最後は攻撃の精度と決定力の差が出てしまった。無念の敗退となったが、今日のデキなら6回戦でも十分戦える。1年待てば来年の新人王戦にも出られるが、ここは本人の意思を尊重したい。