駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第10試合・アトム級8回戦/○夛田悦子[フュチュール](1R0分31秒TKO)ノンレック・シットソーンピチャイ[タイ国]●

夛田はJBC戦績1勝(0KO)無敗。00年ごろからアマチュア女子ボクシングで全国区の活動を開始し、06年・07年と全日本大会でライトフライ級連覇。プロ興行でエキシビジョン出場を重ね、JBC公認直後にプロライセンスを取得し、今年5月にタイ人相手に初勝利を挙げている。現在WBC女子アトム級13位。
対するノンレックは1勝(0KO)無敗とコールされた。ムエタイ出身の18歳で、国際式は今年4月にデビューしたばかりという。
1R。夛田が先制打を決めると、ノンレックは早くも動揺を見せて浮き足立つ感じ。反撃にワン・ツーを放ってみても上体がバラバラで、これでは4回戦でも通用しないレベル。夛田の攻勢をマトモに喰らうとロープへ詰まり、顔をそむけて戦意喪失気味。すかさず夛田がラッシュすると、あっさりレフェリーストップ。主審がノンレックを抱きかかえて気遣う様は、まるで悪者に襲われた町娘を救いに飛び込んだ時代劇のお侍様。
夛田が歴然たる地力の差で圧勝。しかし、余りにも呆気無い結末に、当の夛田本人も多数詰め掛けた後援者も唖然という内容。これでは折角の晴れ舞台も台無し。選手層の薄さというだけでは言い訳の出来ないミスマッチだった。
ノンレックの貧弱な体つきと不安げな佇まいは、まるで空港の土産物屋でバイトしていた娘が騙して連れて来られたような印象。亀田大毅の相手を務めた東南アジア人に本職が空港職員という手合いが居たが、あれよりも酷かったと言えば酷さがお分かり頂けるだろうか。