駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第6試合・Sバンタム級5回戦/▲佐藤裕樹[ハラダ](判定1−1菊地勝者扱い)菊地永太[真正]△

両者戦績は佐藤6勝(1KO)4敗4分、菊地5勝(1KO)1敗2分。
1R。菊地はアグレッシブに左中心の手数攻めも、佐藤はこれを初手から見切って鉄壁のガード。逆に左アッパー中心に右ストレートなども交え、自分だけ明確なヒットを連発して大差優勢。
2R。ショートレンジ乱打戦。菊地も豊富な手数で左中心に軽打をまとめるが、打ち合いでは佐藤がことごとく優勢。左フック、右ストレートの強打も印象的。
3R。菊地はこのラウンドもしつこく手数攻め。さすがの佐藤もガードで対処し切れず被弾するようになってゆくが、左フック、アッパー、右ボディで反撃し、更にはアッパーをクリーンヒットして優勢確保。しかし菊地のパンチで左目蓋を負傷し、これは大きな不利。
4R。佐藤はしきりに傷を意識して消極的。菊地の手数が目立つ展開になってきた。佐藤も散発的にはアッパーやストレートでヒットを返し、終了ゴング前にはアウトボクシングを披露して主導権をアピールして見せたが、逆転までには遠い感じ。
5R。菊地の手数攻めに対し、佐藤はガードを固めつつ単発強打の狙い撃ちで有効打連発。しかし菊地の手数は圧倒的で、採点の難しい微妙な内容に。
公式判定は川上49-47(菊地支持)、宮崎48-47(佐藤支持)、半田48-48の三者三様ドロー。イーブンとした半田副審の優勢点投票により菊地が勝者扱い。駒木の採点は「A」49-46「B」49-47佐藤優勢。菊地の手数豊富な軽打と、佐藤のフック・アッパー強振による明確なヒットで見方が分かれた形だが、菊地を2点差で支持した採点は余りにも手数重視に偏り過ぎではないかと疑義を呈したい。ジャブを見切ってガードして的を外して額で受けて、返す刀で強打を明確に当てている方がここまで不遇を受けては堪らないだろう。
菊地は粘り強い手数攻めで軽打を重ねて際どいドロー勝者扱い。所属ジムの開設以来男子無敗記録を際どく守り、初の新人王タイトルをもたらした。しかし大きなパンチの被弾も目立ち、見方によっては不利とも言える内容ではあった。
佐藤は3Rに負った傷が勝負の潮目となった感。リズムを崩したのか終盤には体力切れで失速してしまった。また、パンチ力不足がジャッジに随分と嫌気されてしまった形。