駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第11試合・フライ級6回戦/○本田猛[尼崎](2R0分32秒KO)佐々木巧[神拳阪神]●

最終試合は、やや伸び悩む尼崎のホープが4回戦を卒業したばかりのラフファイターを迎え撃つ6回戦。
04年度西日本新人王決勝で久高寛之*1と互角の勝負を繰り広げた本田は6勝(4KO)3敗2分の戦績。かつてのライバルが順調に出世していく裏で、ここ1年勝ち星に恵まれない苦境を味わっているが、今日は6回戦昇格後初の格下相手。所属ジム主催興行の実質メインで無様な試合は出来ない。なお、2戦前になるが、昨年末に03年度の西日本新人王・岡田正継と引き分けた試合(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20041213#p6)はなかなかの好試合だった。
そして、この本田に挑む佐々木は4勝(2KO)3敗1分の戦績。98年デビューだが、戦績の少なさを考えると間にブランクを挟んでいるようだ。B級への出世試合となった5/15の試合(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050515#p8)では、両者エキサイトしての荒っぽい打撃戦を制して1RKO勝ちを果たしている。
佐々木は猛烈な勢いで突進しては強打を振るうブルファイト。ハンドスピードと力感はなかなかだが、姿勢を崩すほどの大振りが目立ち、この辺はまだ4回戦の延長上といったところか。対する本田は相変わらずダッキングを始めとするディフェンスが冴えていた。
1Rから佐々木は突進ブルファイトを展開するが、本田はこれを冷静にかわしつつ、佐々木がバランスを崩した所へカウンターの左を連続でヒットさせて優位を磐石に。そして2R開始早々、またも佐々木が突進して来た所へ、本田はカウンターで高速の左右コンビネーションを綺麗にクリーンヒット。急所をしたたかに打ち付けられた佐々木は大の字にひっくり返り轟沈ノックアウト。試合終了後もしばらく立てない程の壮絶な散りようだった。
本田が会心のファイトで、昨年6月以来の勝利を飾った。今日の試合を観る限りではやはり6回戦では上位クラス。あとは攻撃面を中心に磨きをかけて8回戦でも通用する実力を身につけて欲しい。敗れた佐々木は6回戦の壁に正面衝突して吹っ飛ばされた格好。気持ちを前面に押し出したファイトは結構だが、これにある程度は基本的な技術を噛み合わせないと、このクラスではなかなか通用しないだろう。

*1:04年度フライ級全日本新人王&現在同級日本8位