駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第7試合・フェザー級6回戦/○忠地啓太[ウォズ](判定3−0)荒川正光[京都拳闘会]●

両者戦績は忠地6勝(2KO)5敗、荒川7勝(2KO)10敗2分。忠地は05年西日本新人王戦でSバンタム級決勝まで進出するも、高野愛[塚原京都]に敗れて準優勝。その後は再起に三度失敗して都合4連敗中。荒川は01年の新人王予選で長谷川穂積[千里馬神戸]を降した事でマニアの間では有名な選手。しかしB級昇格を果たした頃から負けが込み始め、こちらも現在は負傷ドロー1つを挟んで4連敗中。今回は敢えて6回戦に“自主降格”しての試合出場だ。
1R。荒川は右アッパーで先制するが、その後は忠地が圧力をかけていって、ロープに詰め強打攻めしヒットも奪う。だが荒川はラウンド終盤右アッパーのクリーンヒットから連打で有効打をまとめてヤマ場を作った。
2R。このラウンドも忠地が圧力かけながら攻勢だが、迫力に欠ける感。逆に荒川のアッパー起点にした連打が決まって、忠地は二度三度とピンチに陥る。ラウンド終盤、忠地はボディ連発で効かせダメージ量で優勢をアピール。
3R。荒川が左ジャブ、アッパー中心にヒット、有効打連発。忠地も手数は多いが、“亀田スタイル”での圧力攻めはガードの隙間を狙われて逆効果に。2分半経過した所で忠地はまたもロープに詰めて手数攻めを敢行するが、これもガードの上を叩くだけで終わった。
4R。ショート〜クロスレンジの打撃戦。忠地が左ボディ起点に攻勢をかけて主導権も握る。荒川はラウンド中盤に反撃に出たが後が続かない。忠地の一貫した手数攻めが印象的なラウンド。
5R。このラウンドも近い距離での打撃戦。両者アッパー中心に上下にヒットを散らしてほぼ互角の内容。忠地がラウンド中盤に印象的な攻勢の時間作ったが、明確にポイントを奪えたかどうかは……?
6R。ショートレンジ乱打戦。荒川がラウンド序盤にアッパー中心の連打を数度見舞ってリードを奪うが、ラウンドも後半に入ると忠地がジリジリと反撃開始。そして試合終了直前、ついにヒット連発でノックダウンして逆転成功。荒川にとっては痛恨のダウンとなった。
公式判定は北村58-54、原田58-55、宮崎57-56の3−0で忠地。駒木の採点は「A」58-55「B」59-57で忠地優勢。
一進一退の攻防戦を忠地が制し、実に05年7月以来の勝利を挙げた。ガードは高くなったが緩く、攻撃力も高いガードの犠牲となって若干落ちた印象だが、今日は執念で勝ちを引き寄せた。
荒川はここ最近の試合では一番の動きを見せ、小気味良く連打を浴びせてA級ライセンサーの意地を見せたが、各ラウンドごとに終盤戦で失速してポイントを獲り損ね、とうとう試合終了直前に倒されて万事休す。これで5連敗。進退が気になる所だが、果たして彼の選択は?