駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第8試合・フライ級10回戦/△宮崎亮[井岡](3R2分06秒負傷ドロー)赤木啓祐[倉敷守安]△

宮崎は5勝(3KO)無敗1分。インターハイ優勝などの実績を経て06年末にプロデビュー。タイ人相手に2戦こなした後、07年4月に元西日本新人王戦準Vの須田康博[八尾]と6回戦を戦い、ダウンを喫するも逆転判定勝ち。6月に分の良い負傷ドローを挟んで、10月には初の8回戦で橋本泰治[尼崎]に勝利。今年に入っても1月にタイ人ノーランカーを相手に調整戦に臨み、ダウンを喫するポカもあったが2RKOに仕留めている。
対する赤木は6勝(3KO)4敗1分。03年にデビュー以来、新人王戦等のトーナメントには参加せず、ほぼ毎年2戦のペースでキャリアを積んでいる。A級昇格まで約3年を要するが6勝1敗1分の高勝率をキープ。だが、06年10月の初8回戦では山脇正輝[大阪帝拳]に敗れ、07年6月には世界ランカー・国重隆[大阪帝拳]、9月には日本ランカー・滝沢卓[タキザワ]に挑んだが、いずれも判定負け。今回はノーランカーながらイキの良い若手が相手。A級初勝利を目指すには緩くない相手だが。
1R。宮崎はスピードの差を活かして出入り激しく連打を打っては赤木の射程外に退避するヒット&アウェイ作戦で優勢。しかし打ち合いでは、優位に進めながらも赤木の反攻にヒヤリとさせられるシーンも。
2R。宮崎はノーガードで挑発するパフォーマンスを見せつつ、赤木の攻めを捌きにかかるが、調子に乗りづぎて守勢に回る場面も。赤木は宮崎の強打をガードしつつ密着していって手数を集めていった。
3R。膠着気味の展開。宮崎は強引な強打狙いだが、赤木もこれを受けて立ち、乱打戦模様となる。宮崎は足を使う場面もあったが、バッティング上等の揉み合い・ヘディングが相次ぎ、赤木が右目付近を深く負傷。ドクターストップがかかり試合はここで終了。ノンタイトル10回戦で5R突入に至らないまま偶然の負傷で試合が中止されたため、自動的にテクニカル・ドローとなった。
宮崎は余裕ある試合振りとは裏腹に、油断した所に付け入られて乱戦に引きずり込まれる脆さを見せ、そのまま負傷判定となって星を逃した。スピードを活かした1Rの戦いぶりは良かったのだが……。当面の敵は誰よりも悪い意味の若さが抜け切らない己自身だろう。
赤木は自分なりの試合を進めていったところにアクシデントで受傷。ここまでポイント的には互角〜小差劣勢だっただけに、もう少し粘ってみたかったが、致し方なし。