駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2試合・Sフェザー級4回戦/○湯川翔太[江坂](判定3−0)黒本昭[尼崎]●

両者戦績は湯川2勝(2KO)無敗1分、黒本3勝(2KO)1敗。湯川は7月に8ヶ月ぶりの試合を勝利で飾って復帰。黒本は新人王緒戦で永田浩司[ウォズ]の圧力に持ち味を活かせず敗退して初黒星。今回が再起戦。
1R。ロングレンジから様子見中心に単発気味の攻防。湯川が足を使いつつジャブ、ストレートとヒットを重ねるが、黒本も圧力かけつつ重い右を振るう。ラウンド中盤には黒本が右フックをテンプルに浴びせ、押し倒すようにダウンを奪ってみせた。
2R。湯川は慎重に距離をキープし、黒本の強振を空転させながらジャブ、ワン・ツーで着実にヒットを重ねる。混戦が嫌いなのか、淡白な展開から単発気味の展開に持ち込むとスムーズな試合振り。
3R。黒本は距離を詰めて混戦を狙うが、湯川は左ショート中心に迎撃。更に右ストレート、左ボディフックをクリーンヒットして主導権は湯川へ。ラウンド終盤、湯川は左フックを豪快に決めてノックダウン。初回の失点を帳消しにした。
4R。黒本はフック中心に手数を増やして“アグレッシブ”要素で点数稼ぎを狙う。対して湯川は左フック、ジャブ、右ストレートで冷静に迎撃。手数は少ないが左フックの有効打はインパクト十分で、キッチリと互角以上の形勢を作ってポイントアウトを確実にした。
公式判定は野田38-36、北村38-37、坂本38-37の3―0で湯川。駒木の採点は「A」38-36「B」38-37で湯川。
湯川がパンチの精度難を解消し、4戦目にして素質開花。混戦を嫌い、単発傾向でジャッジに嫌われそうな面が果たしてどうかだが、地力的には西日本新人王戦の有力候補。
黒本は攻守の技術と精度で及ばず力負けの形。1Rのダウンで作った貯金を吐き出してしまったのが痛かった。ただ、2R以降は明確なヒットが激減し、勝ちは無い試合と言うのが率直なところ。