第２部第４試合・ウェルター級６回戦／●中田洋平（判定０−２）高木章裕○

中田はここまで３勝(1KO)１敗２分の成績で、昨年のウェルター級西日本新人王１位（準優勝）。決勝では大西勝範に０−１ドロー敗者扱いだった。一方の高木は４勝(1KO)３敗。新人王戦は、一昨年にウェルター級で１回戦負け、昨年はＳライト級で準決勝敗退（相手は後の全日本新人王・磯道鉄平）という成績。
１Ｒ。中田が迫力のある大振りで攻めるが、これを高木が抜群の距離感でスカして、ガードの上からでも構わずワン・ツーを打ち込んでいく。終盤にはボディフックも見せて、手数で上回る。
２Ｒ。中田が牽制気味に軽めの右を細かくヒットさせていくが、高木はボディに顔面に印象的なコンビネーションを浴びせていって手数を稼ぐ。しかし中田も終盤にはヒットを奪う場面もあり、ほぼ互角の展開。高木はパーリングは上手いが、ガードに構えると少々甘い。
３Ｒ。高木が前半からワン・ツー・ボディ、ワン・ツー・アッパーで手数を集めて主導権を握る。中田は後半になって漸く手数が出てくるが、軽い印象。終盤に高木は再び手数を出して抵抗し、形勢挽回を許さなかった。
４Ｒ。中田がアグレッシブに手数を放つが、いかにも“打つだけ”という感じで精度に欠ける攻め。高木は攻守共に手堅くまとめ、ポイントを奪いに行った。しかし、終盤に中田の手数がヒットしていって、有効打数で逆転か。
５Ｒ。中田がオープニングヒットを決めて機先を制すると、やや精彩を欠いた感じの高木に対して次々とジャブ、ストレートを決め、グラつかせる強烈なヒットも奪う。高木は攻撃にも勢いが無くなって来た。
６Ｒ。高木はアグレッシブに細かいパンチを連発して手数を稼ぎ、ポイントを奪い取る作戦。中田も高木のガードの隙を突いて反撃する。最後までジャッジは際どくなったが、個人的な印象としては攻守のバランスが取れていた高木が若干優勢か？
公式判定は58-56、58-56（以上、高木優勢）、57-57の２−０で高木の勝利。駒木の採点でも58-56高木。
4/2アゼリアでの大西勝範の苦戦振りからして昨年のウェルター級の水準に疑問を抱いていた所へ、中田のこの試合。初の６回戦とはいえ、少々残念な内容と結果になってしまった。高木はアグレッシブさで掴んだ勝利だろう。ただ、８回戦以上で勝負するには強力なセールスポイントが欲しい。