駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第8試合・バンタム級10回戦/○馬野晃[ハラダ](5R1分06秒TKO)竹本裕規[風間]●

馬野は8勝(4KO)2敗の戦績。05年7月にデビュー、持ち前の強打を活かして4連勝、06年の西日本新人王戦で準決勝まで進出するが山本幸史朗[ウォズ]に接戦を落として敗退。しかし6回戦で間もなく再起し、山本にもリベンジを果たしてA級昇格を果たす。8回戦では07年4月に敗れたが、同年11月に川口裕[Gツダ]に判定勝ちし、今年4月には木ノ下国広[畑中]を1RKOに沈めて日本ランク戦線参入を窺っている。
竹本は8勝(4KO)10敗1分のサウスポー。02年にグリーンツダジムからデビュー。1勝1敗1分という平凡な戦績で臨んだ03年の西日本新人王戦では、破竹の4連勝で西日本新人王に。だが地区対抗戦に敗れ、6回戦でも2敗を喫するなど大きく調子を崩してしまう。05年9月に風間ジムへ移籍すると連勝して一旦は態勢を立て直すが、06年から現在ドローを含む5連敗中と近況冴えない。07年は5月と10月に連敗。今年5月には中村公彦[大星森垣]との試合で初回ダウンを奪うも追い上げられて三者三様のドローに甘んじた。
1R。ロングレンジから両者様子見しつつ、ストレートでKO狙いする油断の無い展開。馬野のパワーが優位で、竹本をガードごと吹き飛ばす左右の強打で小差リード。竹本の左ストレートは馬野がガードやダッキングで捌く。
2R。馬野ガ右ストレートに加えてボディフック、左の上下ダブル、右アッパーなど猛攻。ラウンド後半に竹本がコーナー際でストレートで反撃するが馬野はガッチリ守る。馬野はパンチを打たない方のガードがいちいち下がるのが気になるが、ここまではボロを出さず。
3R。馬野はボディフック中心にヒットを重ね、やや大振りながらも右を打ち込み、その内の1発がクリーンヒットとなり竹本に大ダメージを与える。しかし不用意にコーナーに詰まり、竹本の左フックをクリーンヒットされるシーンも。
4R。竹本がロープに詰めて先制打を放つと、馬野も負けじと力強く反撃。だが竹本はまたもコーナーに詰めての攻めでボディブローをクリーンヒット、馬野をハッキリと効かせる。しかし馬野はそこから左右フック連打を豪快に当て返してまたも大ダメージを与える。竹本も渋太く立ち回り、馬野のパンチ力が優位ながらも白熱のシーソーゲームに。
5R。馬野はここでゴーサイン出て猛攻。竹本はクリーンヒットを浴びても自らに気合を入れる咆哮一声、強打を返してゆく勝ち気の強さを見せるが、馬野は手を休めず追撃し、最後は力ずくでコーナーへ突き飛ばして豪打炸裂。ストップに消極的な野田主審もここは躊躇無く止めた。
馬野がパワー差活かして強打者対決を制す。守りの甘い所も見せたが、それをフォローするように攻撃技術が磨かれて来た。現時点で攻撃力だけならランカー級。
竹本はいつも通りの真向勝負。気の強さと粘り強い戦い振りで見せ場も作ったが、元々のウェイト差と腕力の差は如何ともし難く轟沈した。