駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第5試合・ライト級10回戦/○高瀬司[大阪帝拳](2R2分13秒TKO)日高慎一[尼崎]●

高瀬は7勝(4KO)無敗で日本ライト級7位。高校時代にインターハイ・ベスト8など50勝以上を挙げ06年9月にデビュー。当初は戦意の低いタイ人相手が続いたが、3戦目、巴山宏和[正拳]、安達寿彦[岐阜ヨコゼキ]と地力の問われる試合を連勝し、07年10月には高山剛志[ハラダ]を判定で降して日本ランキングを獲得している。今年2月には元東洋&日本ランカー・中川知則[進光]の挑戦を苦戦の末に退け、6月には現役日本ランカー・畑大輔[進光]を1RKOに仕留めるなど、試合内容も含めて充実一途である。
日高は13勝(8KO)4敗の戦績。03年デビュー、翌04年を4連勝し、05年に満を持して新人王戦にエントリーするも、西日本準決勝で武本康樹[千里馬神戸]に敗れる。それでも6回戦で再起するや連勝、06年にはB級トーナメントに出場し、全戦敵地のハンデを乗り越えて優勝する。07年はA級トーナメントに出場し、1回戦勝利で再起以来の連勝を7に伸ばしたが、決勝で日本ランカー・熊野和義[宮田]に敗れた。それでも日本ランク入り目前のポジションに居たが、今年5月に中島涼[ハラダ]に敗れて再起失敗。思わぬ所で停滞を強いられている。
1R。ショートレンジ打撃戦が中心。強打で押す高瀬は右ストレートに加えて左ボディでヒット、有効打。日高もアッパーなどを返すが後手に回った感。ただ、日高は長期戦を見据えての様子見ムードも漂う。
2R。高瀬は早くもゴーサイン。しかし日高は猛攻を受け流した後にクリーンヒットを奪い逆襲開始。早くも激しい打ち合いに出て勝負に出るが、これは高瀬の土俵の上で、左フック合戦を制した高瀬が再逆転のノックダウン。日高はクリンチで何とか終了ゴングまで粘ろうとするが、高瀬の追撃を浴びてストップされた。
高瀬が最大の武器であるパンチ力を前面に押し出した戦い振りで圧勝。漸くプロの舞台で通用する自分の“型”を掴んで来たようだ。一時は不甲斐ない内容の試合が続いたが、いよいよ本格化。
日高は後半勝負の雰囲気を窺わせていたが、クリーンヒット奪って色気が出た瞬間に暗転した形。まるで佐藤幸治×江口啓二のような内容で、自分の試合を投げ捨てて勝負に逸った所を狙い撃ちされてしまった。