駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第4試合・バンタム級6回戦/○橋詰知明[井岡](3R2分52秒TKO)大館法久[フジタ]●

西日本(14人参加)代表の橋詰は5勝(3KO)無敗1分、西部日本(4人参加)代表の大館は6勝(2KO)4敗1分。
1R。単発系強打の打ち合い。橋詰がジャブにストレート、フックを交えた攻撃を上下へ散らす。つまらない被弾もあるが、攻守共に技術・ムーヴの確かさは一枚上。大館も手数互角に健闘するが、やや隙の大きな動きか。
2R。橋詰が左右フック、ジャブ、右ストレートで着実にヒットを重ねて余裕のある戦況。大館は距離詰めての強打狙いだが、橋詰に悠々と捌かれて手詰まりの感。
3R。橋詰はこのラウンドも多彩なパンチを上下に散らして有効打を量産するが、クリンチで相手を故意にリングの反対側へ投げ飛ばす悪質なレスリング行為で一発減点1と「次やったら失格にするぞ」という厳重な警告まで受ける。試合再開後はテンションも上がったか接近戦へと転じるが、左ボディアッパーをクリーンヒットして効かせた橋詰が一方的な大差優勢に持ち込む。大黒レフェリーは、悪質な反則を犯した方にTKO勝ちを出すのを渋っていた様子だったが、ほぼ無抵抗に打たれる大館を見てラウンド終了10秒前の拍子木が鳴ると同時にストップをかけた。
橋詰が試合内容そのものでは攻撃力の高さで格の差を見せ付ける圧倒的勝利。ただし3Rの反則は、「悪質な故意の反則」として減点2が課せられてもおかしくないモノで*1、若気の至りで片付けるには少々オイタが過ぎる乱行である。西日本決勝では唾吐き行為に過度のパフォーマンスもあったし、地区を代表するホープがこの素行不良では大変に宜しくない。今後彼が世間の注目を浴びた末に「また亀田みたいなのが出て来たか」と眉をひそめられるのでは、折角の“金の卵”も持ち腐れである。ここはコミッション及び所属ジムからの厳正な指導が期待されるところだ。
敢え無く敗れた大館は、全体的に無駄の大きな動きで、反則云々は別にして橋詰の相手を務めるには力不足だったと言わざるを得ない。

*1:事実、2年前に福岡で開催された西軍代表戦では西日本所属の某選手(現在は引退)がレスリング行為で減点2を受けている