駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第7試合・Sライト級8回戦/○大崎丈二[ウォズ](判定3−0)土居裕介[塚原京都]●

セミファイナルは06年9月の再戦となるカード。
大崎は12勝(7KO)4敗2分の戦績。OPBFと日本のランキングにそれぞれ登載されていた時期があったが、現在はノーランク。03年にデビュー。04年にライト級で新人王戦に挑むも西日本2回戦で敗退。しかし翌05年はSライト級にクラスを上げて再挑戦し、4KOを含む5連勝で全日本制覇を達成する。だがA級に昇格して迎えた06年シーズンでは、緒戦こそ判定勝ちを収めたものの、当時ノーランカーだった西尾彰人[姫路木下]に際どい内容ながら連敗。再起後はタイ人中心相手ながら東洋ランカーを含む選手に連続KO勝ちするなど徐々に上向いていたが、今年3月に二見広信[北陸イシマル]に不覚。ランキングから陥落し、再び裸一貫からのスタートを強いられている。
土居は8勝(5KO)10敗1分の戦績。98年デビュー、以後00年までの5戦で4敗1分と大きく躓くが、01年に2連勝した後02年に新人王戦にエントリーすると、3連続KO勝利を含む快進撃でSフェザー級西軍代表に。03年も連勝して勢いをつけたが、04年の「ビータイト!」で初戦敗退してから現在まで5連敗中。相手が全て日本ランカー級という事もあったが、前回2月の西尾彰人戦ではKO負けを喫しており、文字通りの苦境が続いている。
1R。ラウンド前半、土居が飛び込みつつのオーバーハンドでヒット連発。やや膠着気味の中、クロスレンジでヒットを追加。大崎は主導権を失ってやり辛そう。時折ジャブ起点のコンビネーションを放つが、これも微妙。
2R。大崎が先手。土居の圧力攻勢を逆手にとって、近い距離でボディへ痛打を連発。土居はボディ被弾で動きが落ちて手足の動きが止まった。ヒットの質・量、手数でも大崎リード。
3R。クロスレンジ打撃戦。大崎はこのラウンドも先手で上下アッパー、フックだが、オープンブローも目立つ。土井もラウンド中盤にヒットを連発するなど見せ場を作り肉薄するが、大崎の主導権は揺るがない。
4R。密着しての打撃戦。手数でリードする大崎に対し、土居もアッパー、右フックでヒットを返すがクリーンヒットが無く手数でも見劣り。大崎は打たれてもすぐ打ち返す強さがある。
5R。土居はロングレンジから飛び込んでの強打。大崎は自分の距離をなかなかキープできずに後手。ラウンド終盤、クロスレンジ戦で土居が尻上がりに調子を上げた。
6R。膠着気味の打撃戦。圧力と強打で迫る土居に対し、大崎は手数mとめて突き放す。採点が難しいヤマのないラウンドになったが、大崎の正攻法がやや見栄えする。
7R。膠着戦。先手で手数を出す大崎のペースだが、土居もアッパーの有効打で食い下がる。手数でリードする大崎がラウンド後半からややリードし、ゴング前の土居のラッシュも凌いだ。
8R。圧力で強引に迫る土居、小気味良い連打で突き放す大崎。土居は気持ちの強さを感じさせるが、肝心のパンチが単発気味。攻勢点でどこまで? 大崎は手数をボディに集めて渋太く立ち回った。
公式判定は宮崎78-74、坂本78-75、原田77-76の3−0で大崎。駒木の採点は「A]78-74「B」78-77で大崎優勢。
大崎が相手の圧力に苦しみながらも手堅く連打をまとめて手数勝ちの形。“クリーンヒット”要素と“リング・ジェネラルシップ”要素で優位を固めた負けの無い試合。但し、相性の悪さもあって、実力差以上の接戦になったのも事実。
土居は自分なりの試合をしたが、手数が続かず。関係者によると肋骨を負傷していたそうで、ボディを被弾した時の効き方に影響したようだ。